一朝一夕にはいかない、番組作りの難しさを体感。│ しまおまほ「マイリトルラジオ」
2月10・11日にパシフィコ横浜で開催された「RADIO EXPO TBS ラジオ万博 2020」。レギュラー出演している「アフター6ジャンクション」のブースでコミュニティーラジオを開設した。パイプ椅子と長机。その周りに段ボールで窓枠をとりつけた即席サテライトスタジオ。ラジカセにマイクをとりつけ、会場で立ち見か、インスタライブの中継で番組を見るスタイル。
ラジオの放送は2日目朝9時〜18時まで。前日に横浜のホテルに入り、部屋に篭って番組の構成を考えた。朝番組は「朝刊まるかじり」のコーナーを、昼番組はポエトリーリーディングのコーナー、15時にはおやつのコーナー…。そして会場にいる知り合いを適当に捕まえてゲストコーナー。数日前から準備をしていたつもりだったけれど、結局ほぼ行き当たりばったり。
そして、いざ番組が始まると言葉が出てこない。誰に向かって、どんな風に会話を進めていいのかわからない。ひとりしゃべりの難しいことよ…!
予定していた10分のコーナーが2分の短さで終わり、20分の予定で始めたゲストコーナーが話が弾んで1時間以上。睡眠時間を削って考えた構成が何一つ予定通りにいかなかった。もう12年、ラジオにレギュラー出演しているというのに…。
干支が一回りしても、なにも進歩していなかった自分。そしてどんなラジオ番組も一朝一夕ではないと思い知らされたRADIO EXPOであった…。
しまお・まほ●エッセイスト、漫画家。1997年『女子高生ゴリコ』でデビュー。著書に『マイ・リトル・世田谷』。
『クロワッサン』1018号より
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