暮らしに役立つ、知恵がある。

 

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シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

男性の道具選びには、彼らならではのこだわりがあるはず。偏愛する道具との出合いのきっかけやお気に入りのポイントを聞いた。

撮影・三東サイ 文・重信 綾 撮影協力・AWABEES(TEL.03-5786-1600)

素材やフォルムが変わらない、歴史ある名品が好きです。

相場正一郎(あいば・しょういちろう)さん●シェフ。1975年、栃木生まれ。『LIFE』をはじめ、4つのイタリアンレストランのオーナーシェフをつとめる。新刊『山の家のイタリアン』(mille books)が4月に発売予定。
相場正一郎(あいば・しょういちろう)さん●シェフ。1975年、栃木生まれ。『LIFE』をはじめ、4つのイタリアンレストランのオーナーシェフをつとめる。新刊『山の家のイタリアン』(mille books)が4月に発売予定。

「“これを買おう”と決めてから探しに行くことはないけれど、普段の生活の中で出合った“いいな”と思うものは、何かに使えるかもしれないので、写真に撮るなどして記憶にとどめておくようにしています」

と話す相場正一郎さん。心惹かれるのは、老舗が手がけるものや、メーカーのものでも長く愛されてきたもの。特に気に入ったものは自分の店で販売することもあるという。

「素材もフォルムも変わらないままに作られているので、どこか、いい意味で〝もったり〟しているところがいいんです。自宅やお店はそういうアイテムで統一されていて、だからこそ、中古を買ってもあまり違和感がなくなじむんだと思います。新しいものは、車もそうですが、どうしても今っぽいスタイルになってしまいますから。また、名品が作られた当時のことを探るのも楽しいですね。物の色や素材感というより、作られた時代や背景で選ぶことを大切にしています」

そんな物への愛情とこだわりが、落ち着く空間を作り出している。

空間にひと味を加える遊び心あふれるブックエンド。

シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

丸太に斧が刺さった、薪割りの瞬間をとらえたようなブックエンドはアンティークのもの。ユニークなデザインが目を惹き、空間を豊かに彩っている。相場さんの遊び心あふれたアイテム選びのセンスは、ぜひ、真似したいもの。

ふっくらとしたフォルムと素朴な雰囲気が愛しい逸品。

シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

長野県にある『栄屋工芸店』の鳩の砂糖壺。70年以上前に農閑期の副業として作られたことが始まりとなる農民美術の名作。スプーンの柄が尻尾になっている。「レストランの内装を手がけたランドスケーププロダクツさんに教えてもらいました」

銭湯などで使う脱衣カゴを物入れに。

シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

生活道具を扱う荒物問屋『松野屋』で購入したラタン(籐)のかごは、軽くてしなやか。まるでお花が開いたような立体的なデザインが美しい。「素材と色がお店の空間にフィットしそうだと思って購入しました」

重ねることで生まれる新しい表情を楽しむ。

シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

静岡県にある家具店『O.F.C』に作ってもらったナラ材のツールボックスには、文房具や工具などをまとめて収納。スタッキングすることで生まれる家具のような佇まいが魅力的。長く使うと風合いが増していく。

チーク材のシェードが温かい空間を作り出す。

シェフの相葉正一郎さんが愛用する歴史ある暮らしの道具の名品。

17年ほど前に購入した『トラックファニチャー』のフロアランプ。「すべて木でできているため、ものによってシェードの反り具合が変わります。色が好きで、自宅と店の照明のテイストはこれに合わせています」

『クロワッサン』1018号より

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