スープ作家・有賀薫さんが毎日使う鍋と優れものキッチンツール。
撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり
料理上手の台所を支える、優れものキッチンツールを拝見。
1年365日、毎朝スープを作り続けている、スープ作家の有賀薫さんにとって分身とも言えるのが鍋。中でも、鋳物ほうろう鍋は欠かせない相棒だ。
「うまみや栄養を逃さず、素材の味を最大限に引き出してくれます。一度温まると蓄熱性が高く、弱火でキープできるので塊肉を長時間煮込むポトフや煮豚にもピッタリです。ほうろうでコーティングされているから鉄の錆も出ず、見た目がおしゃれでそのまま卓上に出せるのも素敵ですね」
有賀さんが愛用するのは玄人好みのストウブ、カラフルで丸みが可愛いル・クルーゼ、密閉度の高い日本製のバーミキュラなど、高品質の逸品揃い。
「普通の鍋よりも煮込みやスープが格段においしくできます。ただ鋳物ほうろう鍋はずっしり重いのが難点。それを解消してくれる鍋が日本製のユニロイで、軽いから女性におすすめです」
日常使いには小回りのきく15〜16cmのフタ付き片手鍋が重宝するという。
「この鍋で味噌汁なら3人前は作れるし、野菜を茹でたりレトルトを温めたり、用途が広くて使い勝手がいい。夫婦2人には充分のサイズですね」
有賀さんは無印良品、ジオ・プロダクト、イケア、フライングソーサーの片手鍋をまんべんなく使っている。
「機能、デザイン、価格のバランスがいいのは無印良品ですね。性能が素晴らしいのは全面7層構造のジオ・プロダクトで、熱がムラなく伝わります」
手軽に手早く食事を楽しむために、便利な水切りボウルやフライパン。
昨年、自宅をリノベーションして、リビングに「ミングル」というキッチン機能付きダイニングテーブルを設えた有賀さん。コンパクトなシンクで大活躍するのが3WAY水切りボウルだ。
「これはザルの機能も持っていて、片側に傾けるとボウルに、反対側に傾けるとザルになるんです。お米を研いだり、野菜の水切りがとっても簡単!」
またミングルの中央はIHコンロになっていて、そこで活躍するのが取っ手が取れるフライパンジュウ。
「フライパンで調理して、取っ手を外せばお皿になり、すぐ食べられます」
キッチン道具は手で使うもの。自分の手にしっくりとなじむ相性の良さが最大のポイントだと有賀さんは言う。
「鍋の持ち手を握ってみたときの感触とか、とにかく手で感じてみることが大切です。そのフィーリングを大事にしてほしいと思いますね」
日々のキッチンで大活躍、使いやすい片手鍋。煮上がりが一味違う、鋳物ほうろう鍋。
ここに紹介するのは有賀さん愛用の鍋。上段は取り回しのいい直径15〜16cmの片手鍋で、下段はスープや煮込みに最適な鋳物ほうろう鍋。「この2種類が一つずつあれば、鍋は充分です」
野菜を洗ってそのまま水が切れる。
ボウルの片側に細かな穴が開いていて、ボウルとザルの機能を併せ持つ。傾きを変えるだけで用途が便利に変化する時短アイテム。
焼いてそのまま食卓に出せるスタイリッシュさ。
ハンドルを付ければ高品質の鉄フライパンで、外せばお皿に。「作る」と「食べる」を一つにした画期的フライパン。洗練されたデザインも魅力。
『クロワッサン』1018号より
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