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無意識のその言葉づかいで、実はあなたは損をしています。

ちょっとした言葉づかいが人間関係の潤滑剤にもなれば、トラブルの原因にもなる。人材育成アドバイザーの平井理恵子さんにお話を伺います。

撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり イラストレーション・村上テツヤ

「ほめる・ねぎらう・可能性を聞く・許可する。この4種類の表現を称して『ほねかき言葉』と言っていますが、目上の人に用いるには配慮が必要です」

「ほねかき言葉」に共通するのは、基本的に上から目線になりがちだということ。

「たとえば『ご苦労さまです』は、労う言葉なので目上の人には使えません。『〜できますか?』と聞くのも能力をはかっているようで失礼になります。『〜していいですよ・それでよろしいです』も許可を与える言い方になってしまうので、目上の人にはご法度です」

言葉の意味合いから、自ずと上から目線になってしまう言葉もある。

「『部長のご意見、参考になりました』と言っている人はけっこう多いのですが、カチンとくる部長はいるでしょうね。『ご意見、大変勉強になりました』と言いたいところです。『参考』は考える足しにするという意味になり、『ご参考までに申し上げます』というように謙遜して使う言葉なんです」

誰もが気軽に口にしがちな励ましの言葉、「頑張ってください」も、上から目線の意識が潜む要注意ワード。

「親しい間柄なら問題ないのですが、目上の人には『ご活躍をお祈りします』と言ったほうが穏当ですね」

無意識のその言葉づかいで、実はあなたは損をしています。

『クロワッサン』1007号より

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