磨き上げられたセンスが光る!カッコいい大人のおしゃれスナップ。
撮影・中村ナリコ、岩本慶三 文・長谷川未緒
「服はしばらく寝かせて、 こなれた頃に私らしく。」
「流行っているから着るというより、買ってから5年とか20年とかの服も着ることが多いです。そのほうが私らしく着こなせる気がして」
と語るのは、赤い〈グッチ〉のニットが印象的な小川久美子さん。“私らしさ”のポイントは、心地よさだと言う。
「着ていてしっくりくるものがいいですね。最近、母親が着ていたような少しクラシックな格好をすることが多くなりました。この年齢で自分のファッションが母親へ行き着くとは、おもしろいですね」
「年齢には頓着せず、 美しく生きたいと思うだけ。」
イエローのワンピースにグレイヘアが映える川崎淳与さん。自身のギャラリーでは、月に3回もの展示替えをパワフルにこなす。
「付き合う作家さんたちはお若い方ばかりだし、年齢なんて頭にないの」
服もアクセサリーもアートのように美しいものが好きだし、生き方もそうありたいと語る。
「物事への興味を失わず、うれしいことも悲しいことも味わい、心のひだひだを作ることが、美しい生き方につながると思います」
「価値観を反映する物選びで、 未来につなげたい。」
「仕事柄、商品が引き立ち、動きやすい格好ばかりしています」
と話すのは、生活雑貨のセレクトショップのディレクターを務めながら、フォトグラファーとしても活躍する石黒美穂子さん。アクセサリーなどを装いのアクセントにすることが多い。
「店で扱うものもそうですが、作り手を応援できるものやフェアトレードのものをよく選びます。買うという行為は価値観の反映だと思うので、何かにつなげられたらうれしいですね」
「人生は続くから、服や色の力で自分を奮い立たせます。」
「朝起きて、今日は何色を着ようかな、と考えます。元気になれる色を選ぶようにしているんです」
と、静岡で329年続く家庭用品文化店を営む堀佳千世さん。
店に訪れるお客さんとの会話から日々、学ぶことが多いという。
「『きれいな色の服を見たら、気が晴れたから、私も着てみるわ』と言われるとうれしい。落ち込むことがあっても人生は続きます。服や物の力を借りて周りを元気づけたり、自分を奮い立たせたりしながら、歩いていきたいですね」
『クロワッサン』1003号より
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