頚椎後縦靭帯骨化症 (けいついこうじゅうじんたいこつかしょう)
原因と特徴
頚椎後縦靭帯骨化症とは、手足のしびれや手足の運動麻痺の症状があらわれる病気です。日本国内では難病指定を受けている病気の一つであり、背骨の中を縦に通っている靭帯(後縦靭帯)が骨化することによって神経が圧迫され、症状があらわれます。骨化が起きる原因についてはまだわかっていませんが、遺伝子との関連性や性ホルモンの異常、カルシウム代謝異常、糖尿病、老化、ケガなどが発症に関わっていると考えられています。必ずしもすべての患者に症状があらわれるわけではなく、中には症状が出ないまま経過することも少なくありません。そのため、重症化するタイプと、軽症のまま経過するタイプでは、経過や治療法が大きく異なるのが特徴です。重症化すると、手が使えなくなり、歩行困難や排尿・排便障害が起こるため、一人で生活することが困難になるケースもあります。
治療
頚椎後縦靭帯骨化症では固定や痛み止めなどの保存療法を行うことが一般的ですが、歩けない、立ち上がれない、尿漏れなどの日常生活に大きな支障をもたらす症状がある場合は、手術療法が検討されます。