巨細胞性動脈炎 (きょさいぼうせいどうみゃくえん)
原因と特徴
側頭部にある動脈を中心に炎症が生じる病気です。その原因は明らかになっておらず、全身のだるさや食欲の低下、体重の減少、発熱といった症状があらわれます。また、炎症する場所によってさまざまな症状がみられ、側頭部の動脈の炎症では、こめかみの血管の腫れ、頭痛、食事による顎のだるさなどがあり、目の動脈に炎症が生じた場合は、目の痛みや視力の低下をはじめ、失明に至る危険性もあります。さらに脳や心臓、手足に関わる動脈に炎症が起こると、半身麻痺やろれつ障害、胸痛、末端の冷え、倦怠感などの症状が出ることも。「これまでに感じたことがない頭痛がある」「顎を動かすと痛い」「ものが二重に見える」などの症状は、巨細胞性動脈炎を早期発見するためのポイントであり、自覚症状がある場合は、内科やリウマチ内科への受診をおすすめします。
治療
炎症を抑えるためにステロイドを用いた免疫抑制療法が行われます。失明の恐れがある場合は、ステロイドを点滴で大量に投与する治療法もあり、失明や脳梗塞を予防するためにアスピリンの使用も検討されます。