急性気管支炎

原因と特徴

空気の通り道である気管支に急性の炎症が生じる感染症です。その原因の多くはウイルスや細菌ですが、中には締め切った空間で換気をせずに防カビスプレーなどを使用し化学物質を吸い込むことで引き起こすケースもあります。咳や痰など、呼吸器系に症状があらわれるのが特徴で、原因となる病原体によって付随する不調が異なります。自然によくなることが多い急性気管支炎ですが、注意したいのはヒューヒューという呼吸音があらわれたとき。空気の通り道が狭くなっているサインであり、重症化する可能性があります。

治療

原因によって治療法は異なり、ウイルス感染が原因であれば基本的に対症療法が行われます。細菌感染の場合、原因となる細菌によって抗生物質が異なるため、病歴などを参考に内服する抗生物質を検討します。

受診の目安

のどの痛みが強い

水分や唾液が飲み込めないほど、のどに激しい痛みがあるときや、呼吸が苦しく声が出ないなどの症状があるとき、口が開かないときは、空気の通り道に影響が出ている可能性があるため、速やかな受診が必要です。また、飲食はできるものの飲み込むたびに痛みをともなう場合や、のどが痛むだけでなく発熱が続いていて、咳やくしゃみなど風邪のような症状をともなう場合は、近日中に内科や耳鼻咽喉科へ行きましょう。

鼻水がひどい

鼻水の症状が強く出たり、鼻周りの症状のみあらわれたりする場合は、鼻の病気である可能性があります。黄色や黄緑色の鼻汁・痰が出る、虫歯があって額や頰に痛みがある、治療中の虫歯が痛む、日常生活に支障はないものの長期的に鼻水が続いているなどの症状があれば、近日中に耳鼻科へ行きましょう。

咳が激しい

風邪の症状の一つとしてみられる咳ですが、咳の種類や持続期間によっては別の病気が隠れていることがあります。なるべく早く受診すべきときの症状としては、息が苦しく横になることができない、呼吸とともにヒューヒュー、ゼイゼイとした音が聞こえるなどです。また、咳が2~3週間以上続くときや、痰に血が混じるときは近日中に内科や呼吸器内科へ受診を。風邪によるものであることがわかっていたり、日常生活に支障がなく2週間以内に咳が治まったりする場合は、安静にして様子をみましょう。

監修

前田裕輔 (まえだ・ゆうすけ)

グランプロクリニック銀座院長

関西医科大学卒。内科専門医、日本抗加齢医学会専門医。

https://granpro-clinic.com/

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