【佐伯チズさん×中江有里さん対談】横ジワは幸せを溢れさせ、縦ジワは不機嫌を渗ませる。
撮影・青木和義 ヘア&メイク・下田英里(中江さん) スタイリング・若月孝子(中江さん) 文・一澤ひらり
「笑顔が生む表情ジワは素敵な女性の証しなの」(佐伯チズさん)
「クローズアップでシワを見ると、気になって。どうせならハッピーなシワにしたいですね」(中江有里さん)
74歳のいまが一番充実しているという“美のカリスマ”佐伯チズさん。今年44歳になるものの清楚な印象が変わらない女優で作家の中江有里さんが、気になるシワのケアや、どのような手入れをしたらいいかなどを聞きました。
佐伯チズさん(以下、佐伯) 中江さんにお会いするのは初めてですね。いつもテレビで拝見していますけど、穏やかで品があって可憐な少女のイメージですよね。お肌触っていい? きめ細かくて柔らかい。日本人が憧れる肌ね。あなたはこのままいったらいいと思うわ。
中江有里さん(以下、中江) 本当ですか? ちょっと不安なんです。
佐伯 水分が足りなくなりがちだから、小ジワがよりやすいのね。でも保湿をちゃんとすれば大丈夫。私は今日も日焼け止めしかつけていないんですよ。
中江 信じられないです! ファンデーションを塗っていないのに肌が白くて、しかも弾力があってもちもちで。
佐伯 子どものときは色黒でそばかすがいっぱいあったの。でもオードリー・ヘップバーンに憧れて大人になったら「カッコかわいく」なりたいって思って、13歳から太陽にあたらないようにしてきたんです。夏でも長袖を着るし、帽子やサングラスは欠かしません。
中江 まさに美肌は一日にして成らず。徹底して日に焼けないようにされてきたんですね。
佐伯 当時プリティーっていう肘や膝の角質を取るクリームが発売になって、きっと顔にも使えるだろうと思ってお風呂で使っていたら19歳ぐらいのときにそばかすが取れたの。こすりすぎて跡が残っちゃったけど(笑)。24歳でゲランに入り顔用スクラブがあるのを知って、それからは1週間に1回スクラブ洗顔で角質を落としてきたから、くすみもなくきています。
中江 努力を惜しまずにされてきて、いまの美肌があるんですね。
佐伯 でもシワはちゃんとあるのよ。だって70過ぎてシワがないほうがおかしいでしょ。同じシワでも笑いジワみたいな横ジワはハッピーな証拠ね。でもしかめっ面でできる眉間のシワみたいな縦ジワは不幸な感じがするでしょ。
中江 そう言われてみるとシワって生き方が表れるんですね。どうせなら幸せなシワにしたいです。
佐伯 そのとおりね。素敵な表情ジワは成熟した女性の証し。ほうれい線を気にする人が多いけれど、微笑みによって刻まれる口元のシワは“豊麗線”って私は言ってるの。歳を重ねてくると生活のすべてが顔に表れてくるから、トータルに考えていかないと。
中江 シミとかシワとか、気になるところはどうしてもクローズアップで見ちゃうところがあるんですよね。
佐伯 欠点なんて穴があくほど見てもしょうがないの。自分を責めるばっかりになるし、なぜそうなったのかを考えて改善していくことが大事よ。
中江 本当にそうですね。