すぐに始められて効果的
「インターバル速歩」入門 vol.2
日々の歩き方を筋トレにする「インターバル速歩」。今回は実践編。どんな服装で歩けばいい? 1日何分歩けばいい? インターバル速歩のおすすめのタイミングは? などさまざまな疑問にもお答えします。
インターバル速歩とは、個人の最大体力の70%相当の「速歩き」と、普通の「ゆっくり歩き」を交互に行うウォーキング方法。いつでも、どこでも、誰でも、安価にできる体力向上のための運動プログラムです。
「ゆっくり」を間にはさむことで、疲れを回復しながら高強度の運動を続けられるのが鍵。
一連のウォーキングの中に、筋力を鍛える無酸素運動と持久力を鍛える有酸素運動の両方を盛り込んでいるので、いつまでも動ける体づくりに最適の設定になっている。
インターバル速歩のやり方
ややきついと感じる速歩きのペースの見極め方
目安として、3〜5分歩いていると少し息が切れて動悸がする。思い切り話すことはできないが、軽い会話はできる程度。自分なりのスケールで基準を考えた「主観的運動強度」の12~14にあたるくらい。
服装や靴は、どんなものがふさわしい?
動きやすい服装なら普段着で大丈夫。ジョギングのようにウエアを揃えて取り組む運動と違い、歩いていても人目が気にならず、やっている人同士で比べることなく続けることができるのも、速歩の利点。
靴も、あまり厳密に考える必要はないが、自分の足に合った、靴底が曲がりやすい、かかと部分にクッション性がある、通気性に優れているものが快適。大またで歩くので、靴ひもをしっかり締められるといい。
歩きながら3分間を計測するにはどうする?
ストップウォッチ機能のある携帯電話、腕時計、キッチンタイマーで設定するほか、3分程度の好きな曲を聴きながら歩くのもいい。また、コース上の電信柱や街路樹などを目印にするという手も。
より筋力アップを狙うため、30分後をめどに牛乳を飲む。
運動後の筋組織を補修するため、体が糖とたんぱく質を欲しているタイミングに牛乳を飲むことで、ぐいぐい成分が取り込まれ効率的に筋力をアップ。血液量が増加して、汗をかきやすくなり、熱中症予防にも。
1週間に負荷のかかる速歩きの累計60分が目標。
基本は、大きな歩幅でややきつい(息が上がってくる)速歩き3分+いつもの歩幅のゆっくり歩き3分を1日5セット、それを週に4日、計120分以上のウォーキングを行うこと。
ただし、負荷のかかる速歩きを週に60分以上できれば同じ効果が得られるので、自分が取り組みやすい時間配分に置き換えられる。
たとえば、いきなり3分間も速歩きをする体力がないならば、速歩き2分+ゆっくり歩き2分にして、セット数を増やせばいい。そのほかにも、上記のように組み立て方はいろいろ。忙しいという人も、通勤やスーパーへの買い物など、日常生活で無理なく歩ける時間を探してみよう。
「できればイレギュラーにせず、曜日や時間帯などを決めておいたほうが継続につながります。最初の2週間はすごくしんどいけれど、それを超えるとフットワークも軽くなり、やらないと気持ち悪くなりますよ」
各10〜20秒、ストレッチ3種を。
インターバル速歩におすすめのタイミングは?
いつでも自分の都合のいい時間に行ってよいが、体がほぐれて温まっている夕方がいちばん安全。
早朝は、一気に体を目覚めさせることができる点でおすすめだが、準備運動としてストレッチを行うか、5〜8分ほどゆっくり歩きをしてから開始すること。
空腹時でも食後でも問題ないが、起床後すぐは脱水状態なので、先に水分を摂ることが大切。
逆に、夜遅くに行うと興奮状態になって眠れなくなることがあるので注意を。
また、雨の日などは出かけずに室内で、その場足踏みのように取り組んでもいい。もちろん体調がすぐれないときは無理をしない。そのほうが、結局長く続けられる。
続けていくと、いつ頃にどんな効果が表れる?
継続して取り組むと、だいたい左の表のような順番で、徐々に効果が表れるようになる。こうしたうれしい変化を見直すためにも、日々の記録を取るのはおすすめ。日付、インターバル速歩をした時間帯、歩いた時間の合計のほか、体重、体脂肪、血圧、体調や気づいたことなども記しておくと、体調管理はもちろん、続けることへの励みにもなる。
◎能勢博さん NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事。著書に『「寝たきり」が嫌ならこのウォーキングに変えなさい』(朝日新聞出版)、『山に登る前に読む本』(講談社)など。体力測定とそれに見合ったおすすめの登山先を教えるアプリを開発、この春に配信をスタートする予定。
『クロワッサン』923号(2016年4月10日号)より
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