入浴、トイレ、寝起きが危ない──そもそも、ヒートショックとはどんな状態?
寒暖差による事故が、圧倒的に増える冬。リスクを知って必ず回避を! 国際医療福祉大学名誉教授で、温泉の健康効果や炭酸水などを研究する前田眞治さんに、ヒートショックについて聞いてみた。
イラストレーション・村上テツヤ 構成&文・中條裕子
寒くなると耳にする、ヒートショックという言葉。突然死など重大な事故につながることも多く、注意が必要だ。そもそも、ヒートショックとはどんな状態なのだろうか。環境温度と血圧の変化を比較する実験を行った医学博士の前田眞治さんによると、
「入浴時の温度変化を比較したところ、暖かい場所から寒い場所へ移動して急上昇した血圧が、お風呂に入ると血管が開いて急激に下がりました。このようにぐっと血圧が上がるのはもちろんのこと、その後に下がる、これもヒートショックの症状です」
急激な温度変化により、血管が収縮、拡張を繰り返すことで、心臓や血管に大きな負担がかかり、ヒートショックにつながるのだという。生活習慣病に心当たりのある人は特に注意したい。
「動脈硬化になった人は、血管が硬いので血圧が上がりがち。高血圧はもちろん、脂質異常症や糖尿病の人も気をつけたほうがいいでしょう」
50歳以上で危険度は増すとのこと。この季節、まずはリスクを知って、しっかり対策するに越したことはない。
こんな人はより注意を!
高血圧
血管にかかる負担が常に大きく、温度差で血圧が乱高下しやすい。
糖尿病
血糖値が高いままの状態が続くと、血管が脆くなってしまう。
脂質異常症
血液ドロドロ状態が続いて動脈硬化が進み、血圧が正常に保てない。
『クロワッサン』1154号より
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