つらい手指のこわばり、しびれ。あきらめないで、予防と対策
イラストレーション・Jhon Danon 文・野尻和代 構成・中條裕子
セルフケアと治療
まずは専門医を受診。自宅では血流アップを心がけて。
更年期の女性は、仕事や家族のことなど社会的に忙しい年代で、つい自分のことを後回しにしてしまいがち。でも、手指に違和感を感じたら早めに専門医へ。病院での治療は、その病気や症状の進行具合に応じて行われる。
「痛みや腫れ、しびれなどの初期症状は、エクオールのサプリメントの摂取で軽減できる可能性があります。患者さんには1日10mgをまず2〜3カ月間続けてみるようにお伝えしています。子宮がんや乳がんの心配をされることもありますが、結合するエストロゲン受容体の種類が違うので影響はありません。さらに症状が強い場合は、ステロイドの注射や湿布の治療も並行して行います。ただし、注射は打てる回数に限りが。何度もぶり返して症状が軽減されない場合や、変形が進行している場合は、手術の検討となります」
同時に自宅で行うセルフケアとしては、ビタミンEの摂取や局所のマッサージなどで血行を改善したい。朝起きたときのこわばりが強い時は、手を何度か振ることで指先まで血が巡り、動かしやすくなる。さらに、手指を使ったことで痛みがひどくなる場合は、テーピングや専用器具で固定し、動かさないようにすることも有効だ。
「とはいえ、指が一度変形してしまうと元に戻すことはできません。その手を見るたびに落ち込んだり、人前に出ることが恥ずかしくなったりする人もいます。そうならないためにも、日本手外科学会のホームページ(https://www.jssh.or.jp)で近くの専門医を探して相談してみてください」
テーピングで固定してつらい痛みをやわらげる。
親指のばね指
痛い関節を中心に、テーピング用テープをぐるりと1周、クロスさせて指を固定。使いたい時だけしか動かせないようにする。
へバーデン結節
自着性の弾力包帯を、痛みのある第1関節に2〜3周巻いて柔らかく固定。無駄な動きを抑え、関節に負荷をかけないようにする。
ドケルバン病
親指を上に反り返すサムズアップの状態にして、指の付け根から手首にかけて一直線にテープを貼る。曲げる動作を制限して痛みを緩和。
『クロワッサン』1127号より
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