タッチケア専門家・蛯原英里さんの「飲んで、ハグして。朝３分の習慣が私を支えてくれる」

越川　最後に会ってから、もう２年になるんですね。

蛯原　越川さんから、メノポーズカウンセラーのメノポーズって、閉経のことなのよとか。卵巣って、うずらの卵くらいの大きさなのよとか教えてもらいましたね。私、看護師なのに、意外と女性のカラダをわかっていないことに驚いた記憶があります（笑）。

越川　あのとき英里さん、42歳。

蛯原　先輩の女性から「私の歳になると、朝すっきり起きられることなんて１日もないんだから」と言われて、恐れおののいていたころで（笑）。

越川　笑ってしまうけれど、真実でもあるから（笑）。変わりますからね、カラダは。英里さんも、朝パッと起きられなくなったと話していたでしょう？　その後どうしたか、ずっと気になっていたの。

蛯原　すぐに動き出せないときも（笑）。あと、気力が続かない。がんばりすぎると、翌日までぐったりしてしまう。30代は、定期的に６日間ファスティング（断食）をしていたこともあったのですが、今はとてもできません。体力が追いつかないんですね。

越川　栄養が不足するリスクもありますものね。お子さんが２人、いらっしゃるのだから、動けるカラダでいなくては。

蛯原　かんたんな筋トレやウォーキングを始めて、血流がよくなったのか、少しはいいのですが、運動だけじゃどうにもならなくなってきました。

越川　日本チャイルドボディ協会も、立ち上げて８年でしょう？　ベビーマッサージを教えるだけじゃなく、ママたちへの健康情報も手渡していきたいと話していたから、活動内容も広がってきているんじゃないでしょうか。変わってきたママたちの事情、気になることって、ありますか？

蛯原　平均年齢は高くなってきています。不妊治療をして高齢出産という方もいらっしゃいます。

越川　わかります。授乳中はカラダのリズムが大きく変わっているわけで、不安になった40代のママたちから「これからどんなふうに変化していくのか気になる」って相談を受けることがあります。

蛯原　いつもセミナーで話題になるんです。エクオールってどうなの？　大豆を発酵させるって何？「エクエル」って知ってる？　ちゃんと知りたいよね、と。だから私、実際に摂り始めたんです。

左・蛯原英里さん　日本チャイルドボディケア協会代表

えびはら・えり●看護師としてNICU（新生児集中治療室）にて６年間勤務ののち、ベビーマッサージなどの資格を取得、2015年日本チャイルドボディケア協会を設立。ベビーマッサージやママ向けのエクササイズなどの講座を対面・オンラインで開いている。2児の母。

右・越川典子さん　国家資格キャリアコンサルタント

こしかわ・のりこ●出版社勤務をへて、キャリアコンサルタントに。メノポーズカウンセラー、女性の健康経営推進員、キャリア支援デザイナーなどとして、女性のカラダとキャリア、両面から支援を続ける。名古屋工業大学実務型教員。

越川　いよいよ「エクエル」、摂り始めたんですね。自分の腸内細菌によってエクオールを産生できるかどうか、尿検査で簡単に調べることができるのだけれど、英里さん、もうチェックしました？

蛯原　ソイチェックですね。レベル１～５のうち、私「３」でした。

越川　作れるのだけれど、それほどでもない……と。微妙なレベルかも。日本人女性の２人に１人は作れないことがわかっていて、作れるとしても、体調によっては産生できない場合もあるみたい。ちなみに私はレベル１。だから、毎日４粒、摂っていますよ（笑）。もう、ずっと。

蛯原　たとえレベル５であっても、大豆製品を食べないことにはエクオールはできないし。毎日必ず……というわけにはいかないので、サプリメントで摂るのは賢い方法ですよね。

越川　その通りね。

蛯原　よく生徒さんに聞かれるのは、エクオールってどう選べばいいのでしょうという質問です。私がいちばん気になるのは、安全性なのですが。

越川　私は、自社で研究開発をして、乳酸菌の種類など製法が開示されているかを見ます。「エクエル」は、発売まで18年の年月をかけているんですね。発売して10年、まだ研究を重ねているところが信頼できる点ですね。

蛯原　なるほど。10周年記念の開発秘話ドラマ「ずっと探してたもの」を見ましたが、開発プロセスを発表できるのも、自社開発した会社ならではですものね。

越川　今日は、タッチケアの専門家としての英里さんに、自分を労る方法をぜひ教えてほしいと思っています。英里さんがタッチケアを学ぶきっかけは何だったのですか。

蛯原　私自身、1,800ｇの低出生体重児として生まれたので、双子の姉（モデル・蛯原友里さん）と一緒に保育器に入っていたんです。看護師としてNICU（新生児集中治療室）に勤務してわかったのは、姉とカラダを寄せ合いながら保育器にいることもタッチケアのひとつだったのだと確信したんです。

越川　そう確信するほどの例を見てきたーー。

蛯原　そもそもタッチケアは、NICUの看護の現場から生まれたものなんです。人工呼吸器をつけている赤ちゃんも、両親の手でふれたり、抱かれたりすることで変わるんです。新生児の哺乳力がよくなったり、よく眠るようになったり、体重も増えたり。ママが素肌に直接、裸の赤ちゃんを抱っこするカンガルーケアも行われていました。不安定な赤ちゃんが穏やかになる様子はよく見ていましたが、親ごさんにとってもよいことばかりだったんです。

越川　研究もたくさんされているようですね。

蛯原　桜美林大学の山口創先生と対談させていただいたときに教えてもらったのですが、赤ちゃんのころふれ合いが多いと、生涯オキシトシンを分泌しやすい脳になるらしいのです。集中力が上がったり、ストレスに強くなったり、よいことが多く、しかも、それは赤ちゃんと親だけのものではない、と。

越川　大人にとってもよいこと？

蛯原　はい。高齢者のケアにも導入、応用されているんですよ。

越川　子育て真っ最中のママたちは、毎日すごく忙しい。自分を労る時間をもつことはできません。そんな女性が、自分をケアする方法はないでしょうか。

蛯原　あります。私自身も、朝行ったり、夜寝る前に行ったり。簡単にできる３つの方法をお伝えしますね。朝晩どちらかでも、朝晩２回してもいいですね。コツは、深い呼吸をしながらすることです。

越川　タッチケア、気持ちが落ち着きますね。

蛯原　自律神経も整えてくれるんですよ。私自身、これからどんどんカラダが変化していくと思うのですが、そのときセルフケアをどれだけ持っているかでQOL(人生の質)は大きく変わると思っています。「エクエル」もタッチケアも、私にとって大事なセルフケアです。人生の第1章が独身時代、第2章が子育ての時代としたら、そろそろ第3章のための準備を始めないと、と思っています。

越川　第3章のために、早めのケアを始めるのはいいことですね。

蛯原　はい、母は今60代後半なのですが、40代だったころ、カラダにどんなことがあったのか、聞いてみたいと思っています。女性にとっての生涯のセルフケアは欠かせない時代です。母や姉と語り合えるきっかけができて、今日はとてもうれしかったです。

１、大豆イソフラボンが腸内で代謝されて作られる成分。
特定の腸内細菌によって、大豆イソフラボンがエクオールに変わって初めて女性に嬉しい働きが出てくる。大塚製薬は、大豆と、安全性の高い乳酸菌からエクオール含有食品を開発。長年、自社で研究データを積み重ねている。

２、エクオールを作れるのは日本人の約2人に１人。
せっせと納豆や豆腐を摂っても、エクオールを作る腸内細菌をもっていなければ、エクオールは産生されません。その割合は約50％。また、産生できる人でも体調によっては産生できないことも。サプリメントなら直接エクオールを摂ることができる。

３、エクオールは、１，２日で尿中に排出される。
40代以降の女性の健康と美容のために摂ってほしいエクオール摂取目安量は、1日10㎎。摂っても１，２日で尿中に排出されるので、継続はサプリメントが便利。