白髪ぼかしとは? 白髪染めはどう選ぶ? 50代からの白髪との付き合い方。
イラストレーション・松栄舞子 文・恒木綾子
Q1.白髪ケアの新スタンダード、「白髪ぼかし」はどんな施術?
A.「白髪ぼかしとは、一人一人の白髪量や箇所に合わせ、従来にはなかった明度の高い白髪染め専用カラー剤を使って中間色を増やしたり、白髪と黒髪の境目に細かい筋状のハイライトを入れた上で染めたりして、白髪を〝隠す〟のではなく、〝生かす〟デザインカラーのこと。
そのため、白髪が全体的に散らばっている人、明るめのカラーが好きな人、生え際の白髪を目立たないようにしたい人、サロンに行くペースを遅らせたい人などに向いています。
一方、白髪比率が10〜20%と、まだぱっと見で目立たない人は、ベースの髪色が明るすぎると伸びてきたときに生え際の黒さが逆に目立ってしまうので、従来の白髪染めやファッションカラーで充分カバーが可能です」
Q2.一般的な白髪染めと白髪ぼかしの違いは?
A.「従来の白髪染めに使われるカラー剤は黒い色素が多めに配合されているため、明るさには限界があり、全体的に暗めな印象に。また、白髪と黒髪を同じカラー剤で染め上げるので、メリハリのない仕上がりになります。左のイラストのように白髪ぼかしよりも髪が伸びてきたときの根元の白髪が目立ちやすいデメリットも」
Q3.老けて見えない、 グレー&シルバーヘアは?
A.「どの長さでも共通して言えるのは、ぺったりとした髪型は地肌が透けて老けて見えがちということ。ただでさえ白髪が多いと地肌と同化して髪が薄く見えてしまいます。そのため、トップに高さを出すカットを施したり、スタイリングの際に分け目をジグザグにしてボリュームを出したりすると、元気で若々しい印象に仕上がります」
Q4.セルフカラーをする際の、カラー 剤の選び方は?
A.「どのカラー剤にもメリットとデメリットがあります。まず、一般的なカラー剤は毛髪内部から発色するため、黒髪と白髪をほぼ誤差なく染めることができ、全体の明るさも調整しやすいですが、刺激が強いためダメージやアレルギー反応といったリスクも。
一方、ヘアマニキュア、ヘナ、カラートリートメントは、毛髪内部から発色するのではなく、髪の表面をコーティングするため、全体の明るさは変えられません。白髪の部分のみ色が変わったような仕上がりになり、かえって白髪が目立ってしまう場合も。ただ、ダメージリスクが低く、ツヤ髪には適しています。
特にヘアマニキュアは地肌に薬剤をつけないため、敏感肌の人でも安心。とはいえ、人によってカラー剤との相性があるため、髪質や地肌の状態を熟知している担当美容師さんに相談しながら、自分に合ったものを選んでください」
『クロワッサン』1120号より