2人に1人はがんになる時代。ヘアドネーションについて知ろう。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・牛久保雅美 文・熊坂麻美
(1)美容院または自宅
髪がカットされ、工場に送られる
(2)工場
ウィッグのベースが作られる
(3)ウィッグ対応美容院
医療用ウィッグを仕上げる
(4)医療用ウィッグを必要とする人
好みのスタイルのウィッグが楽しめる
医療用ウィッグの素材となる毛髪を寄付するへアドネーション。日本人の2人に1人ががんに罹患する今、外見の変化による苦痛をやわらげ、社会生活や自分らしさを維持する「アピアランスケア」のひとつとして認知されつつある。
しかし一方で、製造費の高騰、大人用ウィッグや長い毛髪の不足で、必要とする人に行き渡っていない現実も。ヘアドネーションは本来美容院で行うが、昨年、個人でも簡単に髪を送ることができるシステム「フィーノ ウィッグバンク」が誕生。寄付希望者に、毛髪を入れて送るキットを配布し、医療用ウィッグの製作に取り組む。
カットした毛束の長さが31cm以上で、極端なダメージがない限り、年齢や性別、髪質、パーマやカラーの有無を問わず寄付することが可能だ。もはや他人事ではない、医療用ウィッグが増えることを祈って。
『クロワッサン』1100号より