乾かす前のひと手間で髪のエイジングをストップ!知っておきたい6つの新常識。
大人世代の髪を美髪へ導くヘアケア方法を美容師の高橋亜季さん、鈴木富美子さんに聞きました。
文・恩田貴子 イラストレーション・ノグチユミコ
乾かす|乾かす前のひと手間でエイジングをストップ。
毎日のヘアケアにぜひ加えてほしいと高橋さん、鈴木さんがすすめるのが髪を乾かす前の保湿ケア。
「お肌のスキンケアはしていても、頭皮は洗いっ放しの人がほとんど。大人の頭皮は血行も滞っているため、とても乾燥しているんです。頭皮の乾燥は細毛や脱毛の原因になるので、毎日のケアにぜひ保湿のひと手間を加えてみてください。またドライヤーのかけ方を見直せば、気になる髪のボリュームやパサつきも解消します」
アウトバスケアは髪の表面を入念に。
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(新常識!)〝頭皮の保湿〟も忘れずに!
「肌を化粧水で保湿するように、頭皮にも潤いが必要です。タオルドライ後、保湿効果のある頭皮用のローションや美容液を浸透させましょう」(鈴木さん)。うなじにつけてから頭皮全体にもみこむと、血行がアップ。冷却機能のあるものなら、さらに血行促進に効果あり。
すぐにドライヤーをせずタオルを巻いて乾かす。
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(新常識!)生乾き状態はダメ。〝すぐにドライヤー〟を。
「髪や頭皮を濡れたままにしておくと、雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみや頭皮の炎症などの原因に。タオルドライ後、すぐにドライヤーで乾かすことが大切です。タオルやターバンで、髪を長時間包むことも避けてください」(鈴木さん)。すぐに乾かしたほうが仕上がりもきれい。
ドライヤーは風量を使い分ける。
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(新常識!)〝最も強い風量〟だけで一気に乾かそう。
濡れた髪の毛は、キューティクルが開いてダメージを受けやすい状態。それを防ぐために、ドライヤーの一番強い風量で、短時間で乾かそう。「ドライヤーの前には髪を熱から守り、栄養や潤いを与えるアウトバスアイテムをプラス。ハリやコシを与えるものなら根元付近からなじませて、保湿メインのものは、基本的には髪の中間から毛先に」(高橋さん)
髪の表面に風を当てて乾かしていく。
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(新常識!)髪をかきあげ、根元に向かって〝下から風を当てる〟。
根元を乾かすと毛先も乾いていくので、15cmほど離して根元からドライヤーをかけるのが基本。「ドライヤーの風は、髪をかきあげ、根元を立ち上げるように当てましょう。根元がしっかり立ち上がると自然と髪のフォルムが整い、毛先がまとまりやすくなり、ボリュームアップ効果もあります」(高橋さん)。8割方乾いたら風を上から当て、髪を整えよう。
くしを使って髪をとかしながら乾かす。
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(新常識!)濡れた髪にはブラシより〝フィンガーブロー〟。
濡れた髪は摩擦に弱いので、目の細かいブラシの過剰な使用は避けて。「乾かしすぎもダメージにつながるので、根元がしっかり乾き、髪の中間から毛先がほんのりしっとりする程度まで乾かしたら、温風のドライヤーは終了。毛先が広がり、パサついているようなら乾かしすぎの状態です」(高橋さん)。9割方乾いてからブラッシングすると形が整いやすく、ツヤも出る。
おおよそ乾いたらオイルを塗って仕上げ。
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(新常識!)仕上げは〝冷風〟を当て、キューティクルを締める。
「温風で乾かした髪は、まだキューティクルが開いたままの状態です。キューティクルを引き締め、ツヤを出すために、最後にドライヤーの冷風を当てましょう。頭頂部から毛先に向かって風を当て、内側の髪までひんやり冷えたら完成です」(鈴木さん)。髪は冷えるときに形が固定されるので、仕上げに冷風を当てると長時間スタイルがキープできるメリットも。
【もっと知りたい髪にいいこと。】
【朝ケア】寝ている間も摩擦で乾燥。起きがけに保湿を。
「就寝中、寝返りを打つたびに髪と枕の間で摩擦が生じています。また水分も失われがちなので、朝のヘアセット前には髪と頭皮に潤いを与えるケアをプラスして」(高橋さん)。頭皮には化粧水、毛先にはオイルなどで潤いを与えよう。
【紫外線】紫外線は美髪の大敵。UVケアを忘れずに。
紫外線は、髪のダメージやエイジングを加速させるもの。「UV効果のあるアイテムでブロックすれば、カラーリングの色持ちもよくなります。また、紫外線を浴びた後は頭皮の保湿をしっかりと。ミストなどを持ち歩いてこまめに保湿を」(鈴木さん)
【食事】食事でホルモンバランスを整えて美髪を作る。
髪の成長に大きな影響を及ぼす女性ホルモンは加齢とともに減少するため、ケアが必要だ。「ホルモンのバランスを整えるのに役立つのが、タンパク質や亜鉛、ビタミンを多く含む食品です。髪の栄養にもなるので、積極的に取り入れて」(高橋さん)
【白髪】白髪は抜いても生えてくる。「切る」か「染める」が正解。
白髪を抜くと毛根と頭皮がダメージを受けるため、髪の成長が遅れてしまうなどの影響が。「頭皮への負担を考えると、〝切る〞か〝染める〞が現実的な対処法。ほのかに色を入れるだけでも黒髪との差がぼやけ、白髪が目立たなくなりますよ」(鈴木さん)
『クロワッサン』1100号より