わが家の味を、みんなと一緒に食べ続けられる喜びを。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
料理の見た目や味はそのままなのに、格別やわらかく食べられる幸せがここに。
おいしく食べることは、生きる喜び。でも介護食は食材を食べやすくするために細かく刻んだり、ミキサーを使ってペースト状にしたり、見た目も食感も大きく変わってしまう。作る手間や時間がかかる一方、おいしそうには見えず、食欲が減退していく。このジレンマを解決するために誕生した画期的な調理家電が、ギフモの「デリソフター」。
「家庭料理や市販の惣菜、お弁当が見た目も味も変わらず、しかも口に入れると舌や歯ぐきでつぶれるほどやわらかくなります。デリソフターを使えば、高齢で噛む力、飲み込む力が低下してしまっても、見た目はそのままの介護食として、家族みんなと同じ食事が食べられるんです」
と説明するのはデリソフター起案者の水野時枝さんと小川恵さん。デリソフターは専用カッター(デリカッター)で調理された食材の形を崩さずに繊維質を断ち、圧力なべの仕組みを応用して高圧力と蒸気加熱を加え、短時間で食材をやわらかく調理できるのだ。 ただし、食材によっては適用できないものもある。
「使い方も簡単です。必要に応じて料理にデリカッターをかけて専用調理皿にのせ、デリソフターの中にセットするだけです。調理モードは5段階あり、料理に合わせて設定できるんです」
このデリソフターを、クロワッサン倶楽部メンバーで、料理家の依藤亜弓さんに使ってもらった。
「ハンバーグを2個焼いて、1つをデリカッターで刃を通しましたが、形が崩れません。それをクッキングシートでキャンディ包みにし、専用調理皿に調理済みの野菜と共にのせて、デリソフターに入れました。肉料理は調理モード5、 調理時間29分。タッチパネルで操作しやすく、調理の残り時間も表示されてわかりやすいです」
使い方も操作もシンプルでわかりやすく、 日々の料理の心強い相棒になってくれる。
デリソフターで仕上がったハンバーグと、もう一つの普通のハンバーグをそれぞれ皿に盛りつける。
「並べるとどちらがデリソフター に入れたものなのか、全然わからないですね。見た目は一緒なのに、 口に入れるとデリソフターのハンバーグはすごくやわらかくなっていて、おいしさも変わりません。本当に驚きました。また、湯むきしたトマトをそのままデリソフターに入れてみましたが、舌でつぶせるほど食べやすくなります。私自身も亡くなった父が誤嚥(ごえん)性肺炎で経管栄養になったので、噛んで食べる大切さがわかりますし、これなら介護食を作る手間も省けるし、食べる喜びが取り戻せますね」
と依藤さんは感嘆しきり。
しかも圧力なべとしてふだんの料理にも使えるから、使い途は広範囲だ。
「料理は、盛りつけや彩りなどの姿かたちがおいしさに直結します。デリソフターなら家族と同じ料理が食べられて、幸せな時間を 過ごせますよね。介護の場で大きな手助けになるはずです」
デリソフター
家庭料理や市販の惣菜などを、見た目はそのままに簡単な操作で柔らかくしてくれる調理器。
噛む力、飲み込む力が弱った人に、目 でも食べる喜びを。電気圧力調理器として普段の料理にも使える。
幅29cm×奥行き37.5cm×高さ27.9cm 重さ8kg 4万7300円(税込)
問合せ ギフモ
TEL:075-585-4440(平日 10時〜17時) URL:https://gifmo.co.jp/delisofter/
『クロワッサン特別編集』 介護の「困った」が消える本。より。