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しつこい疲れに悩んでいませんか? 「副腎疲労」のセルフチェックと改善法。

しつこい疲れに悩んでいませんか? 医療機関を受診しても原因が解明されないなら、その疲れ、副腎疲労かもしれません。医師の本間良子さんに聞きました。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・後藤真子 イラストレーション・杉山美奈子

ストレス過多の生活が副腎を疲弊させ、慢性的な疲労感に。

副腎疲労の原因は長期のストレス。

副腎は左右の腎臓の上にあるクルミ大の臓器。小粒ながらストレスに対処する大切なホルモンを分泌。
ストレスは大きく分けて3種類。精神的ストレスに加え、肉体的、環境的ストレスも副腎の負担に。

慢性的な疲れの原因として、近年注目されているのが副腎疲労。副腎は、ストレスに対抗するためのホルモン「コルチゾール」を分泌している臓器です。

「もともとは、人類が飢餓というストレスの中で、空腹でも狩りをしなければならないような時に瞬発的に作用するホルモンでした。現代人は慢性的なストレスにさらされています。そのため副腎がコルチゾールを出し続け、疲弊してしまう、それが副腎疲労です」と医師の本間良子さん。

現代社会には、次の3つのストレスがあります。

●精神的ストレス:対人関係をはじめ親の介護、子どもの受験、家族の病気などによる心の負担も含まれます。副腎は、自分でコントロールできないストレスが苦手。

●肉体的ストレス:最も注意したいのは便秘。体内に取り込んでしまった毒素の7割以上が便で排出されると言われます。たまった毒素は炎症のもと。炎症は体のストレスなので、「火消し」のために副腎がコルチゾールを分泌します。

●環境的ストレス:排気ガスやカビなど、知らずに吸っている有害なものも、体内に小さな炎症を引き起こすもととなります。

副腎疲労の兆候。多く当てはまるほど要注意。

□ 朝がつらくて、なかなか起きられない。
□ 慢性的に眠い。寝ても疲れが解消されない。
□ カフェインが含まれている飲み物がないと目が覚めない。やる気が出ない。
□ 塩辛いものや、甘いものが無性にほしくなる。
□ 14時~16時くらいの時間帯に特に疲れを感じる。
□ アレルギー症状が悪化してきた。
□ 鼻炎、喘息が悪化した。
□ 体重が増えた。特にお腹まわりやお尻に脂肪がついてきた。
□ 抜け毛が多くなり、頭髪が薄くなってきた。
□ 風邪をひくとなかなか治らない。咳が数週間も続くことがある。
□ 慢性的に便秘している。
□ 冷え性だと思う。
□ くるぶしがむくみやすい。特に夕方になると、むくみがひどくなる。
□ 腕や顔にシミが出てきた。
□ 関節が痛む。
□ PMS(月経前症候群)や更年期障害がひどくなった。
□ 椅子や布団から急に立ち上がると、立ちくらみやめまいがする。
□ 夕食後、23時過ぎに元気が出る。
□ 毎日、アルコール類を飲まずにはいられない。
□ 性欲が著しく減退した。
□ 些細なことでもイライラし、キレやすい。
□ プレッシャーがかかると、思考が混乱する。
□ 集中力がなく、記憶力が低下した。
□ 疲れていても、寝つきが悪い。
□ 眠っても3時間程度で目覚めてしまい、その後なかなか眠れない。
□ 何もかも嫌になることがある。
□ 気持ちが落ち込みやすい。うつかもしれないと思う。

出典:『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間良子・著、本間龍介・監修 祥伝社)より改変。

思い当たったら、試しに小麦と乳製品を3週間やめてみる。

副腎の疲労は、さまざまな不調につながります。上記の兆候に当てはまるものがあれば、早めに副腎ケアを。前述の3つのストレスのうち、セルフコントロールしやすいのは肉体的ストレスです。食事の改善によって、体内に起こる小さな炎症を軽減しましょう。

「副腎疲労かもしれないと思った人は、グルテンとカゼインを3週間、食生活から外してみてください。グルテンは小麦製品に、カゼインは牛乳に含まれていて、どちらも腸に炎症を引き起こす原因となります。自覚症状が重くない人は、調味料に入っている小麦は無視してかまいません。 パンやパスタはいったんやめて、米を主食にし、乳製品を控えてください」

数日程度では効果を実感しにくいので、まずは3週間続けてみましょう。もしそれで不調が軽減されたなら、たとえば〝日常的には食べないけれど、たまの会食や旅行の時は食べてもいい〟など、続けやすい形で継続しましょう。

「副腎ケアは引き算です」と本間さん。足すのはさほど意識せずともよいですが、エネルギー源となるたんぱく質、季節に応じた栄養がとれる旬の野菜、薬味を食べるよう心掛け、オメガ3を含むものなど良質な油を使うとベター。

副腎には、卵巣の働きが低下する更年期に女性ホルモンを分泌する役目もあるそう。更年期症状がつらい人は、副腎をケアすると多少緩和されるかもしれません。

副腎ケアは食生活の見直しから。

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● グルテン(パン、うどん、パスタなどの小麦製品)
● カゼイン(牛乳、バター、ヨーグルトなどの乳製品)

● 肉・魚
● 旬の野菜
● 薬味(ねぎ類、にんにく、生姜など)

米や米粉パン、そば粉十割のそばなどを主食に、たんぱく質や旬の野菜、解毒作用のある薬味をとる。

本間良子

本間良子 さん (ほんま・りょうこ)

スクエアクリニック院長

医師。専門は内科、皮膚科。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者ウィルソン博士に師事し、日本で最初の専門外来を開設。近著に『医師が教える疲れが抜けない人の食事法』(共著、祥伝社)。

Dr.クロワッサン「逆引き病気事典」(2019年10月10日発行)より

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