香りの心や体、肌への影響は? アロマセラピストが解説。
撮影・久々江 満 文・片岡えり
ストレスで肌が荒れることも、精神的に安定していると肌の調子がいいことも、私たちは体感している。まさに“皮脳同根”。美しさを叶えるには、穏やかでハッピーな気分が不可欠なのだ。そんな感情のコントロールに役立つのが、香りを楽しめるコスメ。香りが心や体、肌へ与える影響を、アロマセラピストの濱美奈子さんが解説する。
「私たちが香りを嗅ぐと、香りに含まれる芳香分子が嗅神経を通じて大脳の奥にある大脳辺縁系を刺激します。この部分は、人間の感情や本能的な欲求と深く結びついているため、快・不快や喜怒哀楽、記憶の甦りなどに影響」
もちろん香りの種類によって、体や脳に表れる反応は異なる。
「たとえばラベンダーは、香りの好みに関係なく、血中のセロトニン濃度を上げ、鎮静作用を促すことで睡眠の質を高める効果が期待できます。他の香りにも、脳の記憶力の向上、やる気がアップ、幸福感や性的な欲求の高まりなど、その働きは多種多様です」
ただし、香りの感じ方には個人差が。
「女性の場合は、月経の前後やホルモンバランスの変化でも感覚が違うもの。また、香りは記憶と結びつきやすく、ある特定の香りが脳に記憶化された時の状況や感情的な記憶によって、その後の感じ方にも変化が起こります」
ホルモンを活性化する香りで肌や髪の色ツヤもアップ。
一方、心地よい香りを嗅ぐことは、美容面にもメリットがあるそう。
「香りによっては、内分泌系の中枢である視床下部から下垂体へ刺激を与え、ホルモンが活性化されたり、バランスを調整したり。その結果、肌の輝き、保湿、ハリ、育毛など、うれしい副産物が。何よりピュアな香りを感じて思考や感情がポジティブになることは、美に対する意識の向上に繋がるはずです」
その日の気分で香りを変える
朝の洗顔やメイク落とし、日中にも使えるオーガニックコットンの拭き取りシート。柑橘、ラベンダー、ヒノキ、ティーツリーなどの天然精油をブレンド。江原道 クレンジングシート リラクシングアロマ 各10枚入り 648円*限定品(Koh Gen Do TEL.0120-700-710)
シャンプーの後に使う頭皮トリートメントはペパーミント&ビターオレンジやレモン&バジル、カモミール&ローズなど5種を好みや感覚で使い分けて。日中の汗や湿気に反応してふわりと香る。イネス ボタニカル アロマ 40g×5種 3,000円*編集部調べ(花王 TEL.0120-165-692)
2020年下半期は樹木系の香りをお守りに。
「2020年は世の中の流れが激変し、新しい時代へ移行していく過渡期。今までの価値観が通用しなくなりそうな状況で纏ってほしいのは“地に足をつけ、自分の軸を保つ”樹木系の香りです。自信を回復するサンダルウッドや意識を内側に向けるシダーウッドの香りで、どんな時でも自分にとって大切なものを見極める安定感を」(濱さん)
サイプレスやユーカリから、シダーウッド、サンダルウッドの深い香りに変化。1人で過ごす時間に。スイッチング アロマオイルマインドフルライフ10ml 3,500円(アスレティア TEL.0120-220-415)
フランキンセンス、ベチバー、サンダルウッドの精油をブレンド。携帯できるロールオンで気分を鎮静。アロマパルス メディテーション 9ml 1,800円(ニールズヤードレメディーズ TEL.0120-316-999)
『クロワッサン』1028号より
広告