【江戸雑煮】伊達巻きも入った、料理研究家本田さんちのお雑煮。
撮影・三東サイ 文・嶌 陽子
365日、餅を切らすことなく常備しているという本田明子さん。
「夫の朝食には、毎朝ぜんざいが加わります。私も焼き餅に納豆や筋子をのせたり、食パン感覚でよく食べています」
山形県生まれの父親が、行事やお祝い事のたびに、のし餅を作って持ってきてくれる。餅が常に身近にある生活のおかげで、料理のバリエーションも増え、餅への興味も深まった。
「お雑煮も、調べてみると、同じ県内でも地域や家庭によって本当にさまざま。“雑”の字には、具だけでなく、結婚によって異なる家庭の文化が混じり合う意味もあるように思います」
今回教えてもらった餅料理は、雑煮からおつまみ、おやつまで実に多彩。
「塩気にも甘みにも合うし、どの料理も手軽に作れるのが魅力。食感や風味の違いを、ぜひ楽しんでみてください」
【江戸雑煮】義母直伝。伊達巻きも入った、本田さんちのお雑煮。
かつおだしとチキンスープを合わせた、コクのあるスープが特徴。
【材料(2人分)】
角餅2個 茹でたほうれん草適量 鶏こま切れ肉100g 伊達巻き2切れ かまぼこ2切れ なると2切れ 三つ葉4本 柚子の皮2かけ つゆ[だし汁+チキンスープ3カップ 酒大さじ1 塩小さじ1/2 醤油小さじ1/2〜1]
【作り方】
1. 茹でたほうれん草は、水気を絞って4cm長さに切る。
2. だし汁とチキンスープを火にかけ、フツフツしてきたら鶏肉を入れる。鶏肉に火が通ったら、酒、塩、醤油で味を調える。
3. 角餅はこんがりと焼く。
4. 椀に2のつゆを少量はり、焼いた餅と伊達巻き、ほうれん草、かまぼこ、なるとをのせる。上から熱々のつゆを注ぎ、柚子の皮、2本ずつ結んだ三つ葉を添える。
本田明子(ほんだ・あきこ)●料理研究家。小林カツ代さんの助手を経て2007年に独立。著書に『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』(講談社)など。
『クロワッサン』987号より
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