スタイリッシュな雰囲気のイラストが人気の谷本ヨーコさん。最近、故郷の大分県中津市に帰省するたび、必ず訪れる店がある。オーナー夫婦とも親交があるという、『中津菓子 かねい』だ。
「ご夫婦2人で、丁寧に手づくりしているお菓子屋さん。お店の2階にあるカフェスペースも、くつろげるんです。アクセスは決してよくないんですが、地元の人をはじめ、皆さんわざわざこのお店を目指すみたいですね」
“レアチーズの水まんじゅう”といった、工夫をこらした和洋折衷のお菓子も人気だが、谷本さんのお気に入りは、もうひとつの看板商品である、くるみ最中。くるみの形をした皮の中に、甘さ控えめのあんこと、香ばしいくるみが入っている。
「すっきりした味のあんこと、かりっとしたくるみのバランスがすごくいいんです。私は朝、コーヒーと一緒に“おめざ”として食べるのが好き。くるみが入っているので、ワインにも合うと思います」
自宅で楽しむのはもちろん、帰省みやげとして配るのが、ここ数年の習慣。帰省した時だけに贈れる、特別な一品だ。
「手みやげは、味だけでなくエピソードも大切ですよね。地元の友人夫婦が作っているお菓子だと言うと、より喜んでもらえる気がして。特にこの最中は、あっさりしているので、和菓子が苦手だという人でも喜んでくれます。贈った相手から、また欲しいとリクエストされることも多いですよ」
もうひとつ、谷本さんにとって大事なのが、パッケージや手さげ袋の見た目。
「さりげなく贈りたいので、派手すぎるものは避けるようにしています。その点、このお店のものは上品でシンプルなので、気に入っているんです」
手みやげは、相手との別れ際に、さっと渡すのが信条。スマートで、かつ相手の印象に残る、大人の流儀なのだ。