地曳いく子さんおすすめ、大人のおしゃれに必要なアイテム。
撮影・小出和弘 文・一澤ひらり
「お腹周りや腰回りを気にして隠すのは重くなって逆効果。旬のトレンドをうまく取り入れて攻めつつ、お悩みをカバーするのが大人のおしゃれのセオリーですね」
と地曳いく子さん。この1枚だけでも買い足せば体型の悩みを解消できておしゃれ度がアップする、そんなアイテム選びのコツを聞いた。
「イチ押しはレースやフリルなどディテールを工夫したインパクトの強いトップス。立体感や陰影で、二の腕やお腹周りなど、体型の弱点をカバーしてくれる最強のアイテムです」
ただし、上にポイントを置いたら、下はシンプルでベーシックなアイテムにすることが肝要だ。
「コーディネートは流行もの50%×ベーシック50%。上下どちらかに流行ものを入れたら、あとはシンプルにまとめる。これはダサくならない、大人スタイルの鉄則です」
とはいえ、ベーシックアイテムを一生ものと思い込むと罠にハマる。
「こういうものほどアップデートしないとダメなんです。何年も前に買ったものをそのまま着ていると古い人になっちゃう。ですからとことん着倒して、3年周期ぐらいでリセットしていきたいですね」
しかし服とともに靴をアップデートしないと台無し。大人になるほどおしゃれの決め手になるのは足元だ。
「今はどんな服にもスニーカーを履いちゃうのがトレンドなのね。ワンピースもワイドパンツもイケます。選ぶのに困ったらブランドの定番ものを1足買うといいのでは?」
1.トップスはインパクト!透け感で攻めつつ隠す。
「濃い色で引き締めて、繊細なレース素材の透け感が陰影を生むので、気になる部分が目立たず、着やせ効果があります」。甘すぎず、ちょっと辛口なテイストで大人の装いに。
2.極薄で柔らかなレザーを、ロングカーディガン風に。
「薄いレザーの一枚仕立てで、とても軽いのでカーディガン感覚で着られるんです。ほどよくトレンドが入って、きちんと感もあるし、ライトな色を選べば何にでも合わせられます」
3.エレガントに弱点を隠す、コクーンシルエット。
脇の接ぎ目がなく筒状になったホールガーメントのワンピース。「立体的なコクーンシェイプでラインが美しい。適度なボリューム感もあり、体型を自然にカモフラージュしてくれます」
4.ウエストゴムで楽ちん。ワイドパンツは七難隠す。
「ウエストの後ろがゴムなのでとても楽なのに、前立てがちゃんとしているし、上質な素材で落ち感がきれい。ことにふくらはぎや腿にコンプレックスのある人にはカバー力絶大です」
5.デニムのハリ感と硬さが、すっきり直線的に見せる。
「私も買いましたが、これはやや太めのハイウエストで股上が深くなっています。そうでないとデニムの上に肉が乗ってしまうのね(笑)。生地も見た目より柔らかいのではきやすいです」
6.何かと重宝。シックな大判ストールを身に纏う。
「これはシルク×リネンのコンビですが、異素材の組み合わせはニュアンスが出せるので便利です。ストールはちょっと値の張る上質なものにするのがおすすめです」
7.ローヒールでセンスよく、クッション入りで軽快に。
「ローヒールなのにストラップがついて洗練されたデザイン。コールハーンは独自のクッションが入っていて疲れないんです。私も出張とか、たくさん歩くときにとても助けられています」
8.スニーカーは履きやすく、一番の売れ筋が狙い目。
「今年、スニーカーは何にでも合わせてOKなので、ニューバランスの定番996、新色のライトグレーを履けば間違いありません」。冬はソールが厚め、夏はソールが軽めのものを。
定番も必ずアップデート。やっぱりユニクロは便利。
「シャツはユニクロで買っています。リーズナブルなのに立体裁断で、ちゃんとアップデートされているのでトレンド感もある。しかもサイズ豊富。ピッタリのものが見つけやすいんです」
『クロワッサン』945号より
●地曳いく子さん スタイリスト/数々のファッション誌で活躍。著書に『50歳、おしゃれ元年。』(集英社)、『着かた、生きかた』(宝島社)。
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