『あっというまに』竹内海南江さん|本を読んで、会いたくなって。
睡眠時間は14時間。ずっと夢を見ています。
撮影・森山祐子
竹内海南江さんは、長寿番組『世界ふしぎ発見!』のメインリポーターを30年近く続けている。本著は今年52歳になった竹内さんの最新エッセイだ。
「本当にあっという間にこの年になっちゃいました。まさかこんなに長くミステリーハンターを続けるなんて……。自分でもびっくりです」
数年前、父を看取り、高齢の母が一人暮らしとなったため、ロケの本数を減らした。いまは、1年のうち、海外での取材が1/3、東京での暮らしが1/3、あとの1/3は母と群馬で暮らす。
「母とふたりでの生活では、昼頃に起きてランチして、そのあと母とスーパーマーケットを車で巡り、夕方から晩酌をして、夜8時半には寝ちゃうんです」
東京や群馬での睡眠時間は平均14時間。一日がものすごく短い。やることがないときはまったく何もしないのが竹内さんの休日だ。仕事で得た大量の情報を一度空っぽにしないと新たな情報が入ってこないからでは?と自己分析している。それにしても、よくそんなに長時間眠れますねぇ。
「途中起きてお水や牛乳を飲んだりするんですけれど、眠りが浅いんでしょうね。ずーっと夢を見ているんです。ふっと目が覚めて、この結末はないだろうって。で、また別のストーリーの夢を見る。でもね、週に1、2回、ものすごく悲惨なトイレの夢を見るんです。仕事中自由にトイレに行けない職業的なトラウマからでしょうか」
何しろ竹内さんは、いままで訪れた国で、さまざまなトイレを経験している。本著で「世界で一番怖いもの」として書かれているのは、トイレにまつわる数々のエピソード。撮影している間に催さないための飲食のコントロールから、トイレのない場所での緊迫した状態、各国で遭遇した恐ろしいトイレなど、竹内さんでなければ語れない話ばかり。
「100カ国以上のトイレを経験してる人なんて滅多にいないでしょ? とんでもない目にも遭っていますよ。日本はものすごく清潔でイイ国です、トイレに関しても」
撮影から帰ってきたらちょっと休んで、つぎの旅の準備に取りかかる。いかに快適に海外で過ごすことができるか、旅の達人ならではの必携品も興味深い。
「番組が続くかぎり仕事を続けるでしょうね。きっと100歳になっても杖をついてリポートしているかもしれない(笑)」
飄々と語る竹内さんであった。
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