Vol. 36 甘くて香ばしい「寝かせ玄米」になりました♪
「ん〜プリプリ!やっぱり、とれたての魚はおいしいですね」
漁師の父は、こういって海からあがったばかりの魚の刺身を食べるテレビリポートを見ては、「なにがうまいんぞっ」…と文句を言っていた。
そして、テレビのリポーターに届くわけでもないのに、説教が始まる。
「どんなに旬の魚でも一,二日はいけすで泳がして、身をしめささんと。とれたての魚は身がしっかりしまってないけん、包丁を入れると身が粗くてわれるし、ちぢかって(縮む)しまうんよ。魚がその魚としての味を出すのは、いけすでしっかり泳がしてから上手にしめて、おろした身を冷蔵庫で五、六時間寝かして、しっとり身がなじんだころ。
とれたてのプリプリした食感はあるけど、それは本当のその魚の味じゃない。ただ雰囲気や食感を楽しむのはええけど、とれたてがいちばんうまい、というのは間違い。「新鮮」というのは“とれたて”とは違うんやけん…」
父は知っているだろうか…。
寝かせておいしくなるのは、どうやら魚だけではないらしい。
「寝かせ玄米」(酵素玄米とも呼ばれている)。
玄米に、小豆、塩を入れて炊き、3〜4日炊飯器で保温し、熟成させたもの。普通、ご飯って、ずっと炊飯器に入れておくと、翌日にはパサついて風味も薄れてしまうのに…(だから私は炊きたてをすぐに冷凍している)と半信半疑で試してみた。
1日目
ちょっと硬めでパラパラとした感じ。
(本当は圧力鍋で炊いてから炊飯器で保温するのがよいそうなのだけど、うっかり炊飯器で炊いてしまったせいでもある…><)
2日目
小豆の色が玄米にうつってきて、ほんのり甘く、香ばしい。
3日目
小豆色が増して、かきまぜるしゃもじに重みが増えた。もちもち感もあって、何より甘みがグッと増した。
噛めば噛むほど甘みが出てきて、ごはんを口に運ぶのが楽しくなる!
「寝かせ玄米」という名で提唱しているのは、玄米を中心とした健康食の店「結わえる商家」。どうすれば玄米をおいしく食べられるか研究をしていた中でたどり着いた食べ方だそう。
最近はしばらく寝かした熟成肉もうまみが増すと人気だ。
そういえば、納豆や漬け物、カレーだって。
本来の食材の味を引き出す「寝かせる」知恵は、よく考えてみれば、いろんな食材で使われている伝統の技。
食べ物ってほんとに面白い!
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