地元民のマイペースな京都・左京区グルメ案内
撮影・渡部健五 イラストレーション・タムラフキコ 構成&文・中岡愛子
COIMO WINE & cafe(一乗寺)
ひとりでも誰かと一緒でもリラックスできる左京区の良心
タイに10年暮らしたパティシエの高橋順子さんが営む、カフェ使いもできるナチュラルワインバー。「店名は姉による私の愛称イモコから。妹だからイモコ」とうれしそうに話す高橋さんの料理は、自身が大好きなナチュラルワインをよりおいしく味わうためのもの。里芋のとろみとしば漬けの食感が楽しいコイモサラダ、いちごを使った春のカプレーゼもくせになるおいしさ。パルミジャーノ満載のプリンは、赤ワインはもちろんコーヒーにも合う。
watoto(下鴨)
薬膳と発酵ベースのランチと、深く豊かな自家焙煎コーヒー
福井・小浜から2025年2月に移転オープン。京都の焙煎所や蒸留酒専門店などで経験した硲真人さんが凛とした姿勢でコーヒーやカクテルを仕立て、鉄ミネラルアドバイザーの資格を持つ母の由美子さんが体に優しいランチをふるまう。「店名はスワヒリ語で子どもたちの意味。ご縁が重なり生家の古民家を改装しました。ここが誰かの居場所になれば」と由美子さん。季節の花の投げ入れや道具の一つ一つまでセンスが光り、それらを眺める時間ごと豊か。
通しあげ そば鶴(一乗寺)
遠方から訪れるファンも多数。三兄妹が迎えるほがらかな店
「いらっしゃい!」。元気よく迎えてくれるのは妹の眞咲子さん、そば打ちと酒を担当する長男の石田重人さんはカウンターと厨房を行き来し、だしと料理を引き受ける次男の英雄さんはもっぱら厨房の奥。1973年に両親が創業したそば店を継ぎ、16年前に東京から戻ってきた眞咲子さんは、「大切な場所で兄妹で働けるのは幸せですね」とつぶやく。昼にさっとそばや丼を食べても、夜に豊富なそば前を楽しんでも、どんな人にも懐深く開いている店。
万里小路 中村屋(百万遍)
海苔の香り、甘いいなり……完全予約制、助六寿司専門店
百万遍の路地に佇む、お持ち帰りの助六寿司専門店。電話で注文し、約束の時間に訪れると、3代目の中村一郎さんがにこにこと、小粋な包装紙に包んだ折り箱を渡してくれた。奥の作業場では4代目を継ぐ健太さんが真剣な面持ちであげを「炊く」。「もとは祇園の座敷を引退した母が、祇園町へのおはぎの配達の商いを始めたのが最初です」と一郎さん。いまでは伏見稲荷大社の御用を務めるほか、歌舞伎役者など各界に多くのファンを持つ。
『クロワッサン』1161号より
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