体に「血を送る」シンプル薬膳鍋──体を温め血行をよくする薬食同源レシピ
撮影・福尾美雪 スタイリング・駒井京子 文・松本あかね
血を送る
いつも同じところが痛む/生理痛がつらい/顔がどんよりくすむ…
中医学の考え方では気(エネルギー)、血(血液)、水(体液)という3つの要素が体を循環しており、その停滞が不調を招くとされる。女性の場合、筋肉量が少ないため冷えやすく、瘀血(血の流れが滞った状態)になりやすい。「瘀血の三大症状は『コリ・くすみ・痛み』。血が滞った場所にコリが生じるので、体を温め血行をよくすることがコリほぐしの第一歩」と話すのは国際中医薬膳師の山田奈美さん。
「薬膳ではすべての食べ物に薬効があると考えます。食材を組み合わせ、さまざまな薬効が得られるのが鍋のいいところ。まず血の巡りをよくすることから始め、自分の状態に合わせて気を流したり、余分な水分を排出する食材も取り入れてみてくださいね」
牛玉鍋
血を補う牛肉と体を温め血行をよくする玉ねぎを煮込んだシンプル鍋。血が不足することも瘀血の原因になるため、貧血気味の人には特におすすめ。しょうが、にんにくなどの香味野菜にも血流を促す働きがあるほか、玉ねぎの香り成分アリシンには血液をサラサラにする作用がある。
【材料(2人分)】
玉ねぎ…1個
牛細切れ肉…200g
大根…4cm
しょうが…1かけ
にんにく…1かけ
青ねぎ…2本
かつお昆布だし…300ml
塩…ひとつまみ
A[酒・醤油・みりん…各大さじ1]
一味唐辛子…適量
【作り方】
1. 玉ねぎは6等分ぐらいに縦に切り込みを入れる(切り離さない)。しょうがはせん切り、にんにくは薄切りにする。大根は短冊切り、青ねぎは小口切りにする。牛肉は軽く塩・こしょう(共に分量外)をしておく。
2. 鍋に玉ねぎ、大根、しょうが、にんにくを入れ、塩を振ってだしを加え、蓋をして中火にかける。玉ねぎが柔らかくなるまで15分ほど煮る。
3. Aを加えて味を調え、牛肉を加えて色が変わったら一味唐辛子を振り、青ねぎをのせる。
豚にら納豆鍋
野菜の中で最も体を温めるとされるにら。同じく体を温め、血を巡らせる働きのある発酵食品から納豆を組み合わせて。豚肉には気・血を補うほか、体液を補い、体を潤す働きもある。最後に納豆を入れたら火を通しすぎないのがポイント。生きた消化酵素が豚肉の消化を助けてくれる。
【材料(2人分)】
豚ばら薄切り肉…200g
納豆…1パック
キャベツ…2〜3枚
玉ねぎ…1/2個
にら…1/2把
にんにく…1かけ
白炒りごま…適量
A[みりん…大さじ1、醤油…大さじ1/2、昆布だし…300ml、塩…小さじ1/3]
【作り方】
1. キャベツは一口大に切る。豚ばらは食べやすい長さに切る。玉ねぎはくし形切り、にらは5cmの長さに切る。にんにくは薄切りにする。
2. 鍋にA、にんにく、玉ねぎを入れて中火で熱し、玉ねぎが柔らかくなるまで5分ほど煮る。
3. キャベツ、豚肉を加えて煮立ったらアクを取り、火を弱め蓋をして7〜8分煮る。
4. にらと納豆を加えてさっと火を通し、白炒りごまを振る。
ぶりと水菜のはりはり鍋
血を補うとされる魚はぶり、まぐろ、かつおなど。中でも鍋料理と相性のよいぶりをシャキシャキの水菜と合わせてはりはり鍋に。青魚に含まれる脂肪酸・EPAには、血液をサラサラにする効果も期待できる。もみじおろしを添え、赤唐辛子で体を温めつつ大根の消化酵素でいっそう食べやすく。
【材料(2人分)】
ぶり…2切れ
水菜…1束
油揚げ…1枚
A[かつお昆布だし…500ml、みりん・酒…各25ml、醤油…大さじ1と1/2、塩…少々]
もみじおろし[大根…4cm、赤唐辛子…2本]
【作り方】
1. ぶりは食べやすい大きさに切り、熱湯をかけて霜降りにし、水気を切る。油揚げは熱湯をかけ油抜きしてから短冊切りに。水菜は食べやすい長さに切る。大根に菜箸などで穴を開け、種を取った赤唐辛子を差し込んですりおろし、もみじおろしを作る。
2. 鍋にAを入れて火にかける。煮立ったら油揚げ、ぶりを入れて4〜5分煮る。
3. 水菜は食べる分だけを入れてさっと煮る(10~20秒)。
4. 器に取り分け、もみじおろしを添える。
もみじおろしでさっぱり食べられ、胃に優しい。薬味はおろしわさび、一味唐辛子、青ねぎなどもおすすめ。
『クロワッサン』1159号より
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