早炊き/炊き込み/冷凍──お米のプロに聞く、お米をおいしく食べる+αのコツと技
撮影・柳原久子 構成&文・中條裕子
「お米の味わいは一期一会」と断言するのは、年間400種のお米を試食し、日々ごはんと向き合ってきた、お米ライターの柏木智帆さん。
ポイントを押さえて、一番いい状態で食べることが何より大切に。
吸水をきちんとさせたら、炊飯器は早炊きモードで
炊飯器を使って炊く場合には、実は早炊きモードがおすすめ、と柏木さん。「あらかじめ吸水(※)ができていれば早炊きのほうがだんぜんおいしいですよ。お米の隅々まで水分が入っていれば、ガス炊飯のように単純に熱を入れるだけでOKなので短時間で炊き上がります。試した方からはお米の粒感があっておいしいと言われます。普通炊きのときとは違って、蒸らし時間は含まれないので、土鍋と同じように10分蒸らしてから飯きりしてください」
※お米をおいしく炊く方法については、こちらで紹介しています
季節を感じる炊き込みごはんもお米選びで食べ心地が変わる
季節が詰まった四季折々のよさがある炊き込みごはん。これもまたお米選びで食べ心地が変わってくるのが楽しいと柏木さんは言う。基本的に好相性なのは、具材との一体感が得られる粘りや、粒感のあるお米。「低アミロース米で銀杏などを炊き込みにすると、軽やかなおこわ風に。大好きな里芋ごはんには〈ゆうだい21〉という品種がよかった。炊き上がった際にでんぷんが再付着するおねばが厚い独特な品種で、里芋の粘りとダブルでいい相性でした」
ごはんをおいしく冷凍するなら、すのこパーツ入りの容器
せっかくおいしく炊けたごはんだけど、食べきれずに残ってしまう……。そんなときには冷凍している人も多いかと思うけれど。「普通の容器にごはんを詰め込んで冷凍すると、解凍した際に下のほうが水っぽくなってしまうなど、味わいが損なわれてしまうことも。私が使っている容器は、中にすのこ状の板が入っているので、底のほうのごはんがべちゃっとなりません。ごはんを入れるときにもぎゅっと押し付けず、ふわりとよそう感覚で」
『クロワッサン』1151号より
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