普段の料理に使いたい! 江戸の味を再現できる、調味料
撮影・黒川ひろみ 文・嶌 陽子
にんべん 日本橋本店
元禄の時代から、和食の味を支えてきた鰹節
特吟味本節 田子節 伊豆製法
江戸時代の鰹節の一大生産地だった西伊豆の田子地区で、今も作られている本枯鰹節。手火山式という昔ながらの焙乾方式で、薪にサクラやクヌギを使用。昔ながらの削り器で削りたてを味わって。100gあたり1,382円。
本枯鰹節 削りたて
本枯鰹節とは、煮た鰹を燻して乾燥させ、さらにカビ付けと天日干しを繰り返したもの。にんべんではカビ付け天日干しを4回以上行ったものを本枯鰹節としている。店内で削りたての鰹節は日本橋本店限定。15g 302円。
元禄12年(1699年)創業。江戸時代から現代まで鰹節を商い続けている。日本橋本店では削りたてのかつお節を提供する「日本橋削り場」や、鰹だしを使ったメニューを提供する「日本橋だし場 本店」を併設。
銀座三河屋
醤油が広まる前に愛された万能調味料とは?
煎酒
濃口醤油が普及するまで、江戸の食卓に欠かせなかったのが煎酒(いりざけ)。日本酒に梅干しと鰹節を入れ煮詰めたもので、上品な味わい。ドレッシングや豆腐料理、豚しゃぶなど、今の料理にもよく合う。小 300ml 961円。
煮ぬき汁
醤油味の麺つゆが普及する前に、江戸で一般的に食されていたのがこの煮ぬき汁。水に味噌と鰹節を入れ、煮たものだ。現代の麺つゆより、味噌ならではのコクがある。タレとしても便利。300ml 950円。
江戸・元禄年間に酒商として創業したのち、絹糸商、和装小物店などを経て、2003年、江戸伝統食のセレクトショップに。調味料やたくあんなどの漬物、佃煮、梅干しなど江戸文化を伝える食品などを扱う。
東京江戸味噌 広尾本店
現代によみがえった、江戸っ子たちの味噌
左・江戸甘味噌
江戸味噌の約2倍の米麹を使うぜいたくな味噌。庶民が口にするものではなく、高級品として一部で食されていたそう。こってりした甘さが特徴で、田楽をはじめ、味の奥行きを出す調味料に向いている。500g 2,160円。
右・江戸味噌
江戸の庶民はその日使う分だけの味噌を近所の味噌屋で買っていた。多くの人々の需要に応えるために作られたのが、多量の米麹を使って短期間で発酵させる江戸味噌。フレッシュな味わいが魅力。500g 2,160円。
江戸っ子が常食していたものの、戦後に世の中から姿を消していた「江戸味噌」を現代に復活させ、その伝統を伝える店。店頭では味噌をだしで溶いたものを試飲できる。
『クロワッサン』1145号より
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