今の自分に合う取捨選択で住まいも心も軽やかに。【こてらみやさんのキレイが続く掃除術。】
撮影・青木和義 文・薄葉亜希子
今の自分に合う取捨選択で住まいも心も軽やかに。
料理家・こてらみやさんの仕事場兼自宅は都心のヴィンテージマンションの一室。広めの1LDKは、昨年夫を亡くしひとりで暮らす今にちょうどいいそう。美しい骨董家具が並ぶ空間に心がなごみ、長居してしまう。
「打ち合わせや撮影に来てもらうので、きれいにしておかなきゃという環境なのはありがたいですね。撮影で料理をたくさん作った後は丁寧に掃除して気持ちをリセットします。とはいえ、特別なことをするわけではなく、重曹水で下拭きして浴用タオルで拭き上げて」
ふだんの掃除も決まりごとは作らず、できるときにやればよし。床は掃除機をかけ、棚や家具は水拭き。洗剤類は最小限にして、便利でも管理が手間になるアイテムはなるべく持たない。なんともシンプルで明快。
「たとえば食器かご。場所は取るし、かご自体の手入れがちょっと面倒に思えてバットとクロスで代用したら、充分でした。負担がひとつ減るぶん、心が軽くなりますね」
そんなふうにして昔からある当たり前を見直し、ときに手放し、自分にしっくりくる方法を選ぶ。こてらさん流の快適の保ち方を参考に、暮らしを見つめることから始めたい。
この時間にこれをやる、と決めない。できるときにやればいい。
洗面台用のスポンジは、鏡の後ろにスタンバイ。
洗面ボウルは使うたびに手のひらでサッと洗えば、きれいな状態を保てる。たまに汚れが気になったら隠してあるスポンジで磨いて完了。
掃除道具も歯磨き粉も風呂場は吊るし収納。
水けを切って清潔に。上段中央の〈びわこふきん〉は肌あたりがよく、すぐ乾く。体を洗い、最後に湯を抜きながらバスタブ掃除にも。
誰でも使えるよう、アルコール除菌剤を。
来客が多いため「気持ちよく使っていただけるように」と、アルコール除菌剤のボトルを常備。トイレ掃除にも使い、こまめに拭く。
手強い油汚れはとにかくためないこと。
「換気扇フィルターのおかげで内側の掃除は年に1回で済んで助かります」。取り付けた日付のふせんを貼って、月1ペースで交換。
家具の下や隙間は愛用モップでスイスイ。
床掃除はお気に入りの〈マキタ〉のハンディ掃除機と〈ダスキン〉のモップを使い分けている。どちらもすぐ手に取れるよう納戸の手前に。
便利グッズや専用の洗剤類は買わず、モノを増やさない。
食器かごの代わりにバットとクロスを活用。
海外のインテリア雑誌で見つけた方法。「食器を乾かして片づけたら、最後にクロスを干して乾かします。常に清潔に保てますね」
固く絞って立てておき、スポンジ置き要らず。
水アカがつきやすいホルダーも手放して。スポンジは油の有無で使い分け。汚れをためないようにすれば掃除用のスポンジも必要なし。
一日の終わりにふきんをつけおき漂白。
三角コーナー代わりの頂き物のソースポットは手頃なサイズ感で使いやすい。「〈オキシクリーン〉につけてひと晩。翌朝、真っ白に」
排水口ネットをなくし、いやなヌメリがゼロ!
排水口ネットがあると、ネットを外すときにしか掃除ができない。なくすことで調理のたびに洗うようになり、結果、ヌメリ知らず。
住まいがきれいになることで、気持ちもスッキリする。
アンティーク雑貨やみずみずしいグリーンなど好きなものに囲まれた暮らし。
見せる収納で目が届き、すぐに掃除する習慣がつく。部屋が整うと気分も清々しくなる。
『クロワッサン』1128号より
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