気になる二の腕をほぐして引き締める、マッサージと簡単トレーニング。
撮影・中島慶子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・板倉みきこ
シュッと引き締まった二の腕に憧れるけど、気がつけば振袖のようにたるんだ状態になってから、幾年月……。
「年齢とともに皮膚の弾力はなくなり、たるみやすくはなりますが、二の腕まわりの筋肉をちゃんと使っていれば、たるみに抗うことはできますよ」(パーソナルトレーナー・岡橋優子さん)
ターゲットは、二の腕の裏側の筋肉・上腕三頭筋。振袖がつきやすい場所だ。
「普段の動作だと使えていない人がほとんどなので、筋肉が不活性化し、硬くなって痩せてしまい、その周囲に脂肪が溜まりやすくなるのです」
ただ、筋肉を目覚めさせるため、いきなり鍛えても効果ナシ。まずは、動かずに固まってしまった筋肉をマッサージでほぐし、老廃物を流してから引き締めエクササイズを行うのが正解だ。
「マッサージの効果で肩周りの筋肉も使いやすくなり、姿勢も改善しますよ」
リンパマッサージ
固まった筋肉を痩せやすくほぐす。
固まった筋肉をほぐして目覚めさせ、同時に二の腕に蓄積した老廃物を流すリンパマッサージ。運動習慣がない人は、脂肪と老廃物が絡み合ったセルライトができやすいので、丹念にほぐそう。クリームなどを使って肌の滑りをよくして行うと、より効果的。いつ行ってもいいが、就寝前に行うと翌朝の顔のむくみまで軽減する。
[鎖骨リンパマッサージ]
鎖骨のくぼみは体じゅうのリンパ液が集まる場所。ここをほぐせば、リンパの流れが促進。
押す場所は左右の鎖骨のくぼみ、骨のキワを等間隔に開けて3カ所。外から中心に向かって順番に行う。
(各部10回ずつ)
親指以外の指を使って1カ所につき10回押す。優しく押す程度で充分。両手で左右同時に押すと効率はいいが、片方ずつ行ってもいい。
[脇下リンパマッサージ]
脇の下には血管やリンパ節が密集。ここの詰まりをほぐせば、腕が軽くなるのを実感。
(左右10回ずつ)
1.左肘を曲げて上げ、腕の付け根に右手のひらを当てる。
2.付け根を掴み、手のひらを密着させたまま左右に10回動かす。反対側も。
[二の腕マッサージ]
上腕部分の血液やリンパの流れをサポートするように、腕の付け根に向かってさする。
(左右10回ずつ)
1.右肘を曲げて顔の前に上げ、左手で右肘を覆う。
2.そのまま脇に向かって二の腕の外側を優しくさする。同方向に10回。反対側も。
[上腕三頭筋のマッサージ]
腕の裏側の筋肉・上腕三頭筋を、骨からはがすようにつまみ、刺激するのがポイント。
(左右5回ずつ)
1.左肘を直角に曲げて顔の前に上げる。右手で上腕三頭筋と骨のキワをぎゅっとつまむ。
2.肘から脇に向かって5カ所、1カ所につき5回、イタ気持ちいい強さで刺激する。反対側も。
引き締めエクササイズ
普段サボっている筋肉に負荷をかけて。
普段、私たちの両腕は肩からぶら下がり、肘は軽く曲がっている。これは上腕三頭筋が最も弛緩、いわばサボっているのと同じ状態。そこで、負荷をかけて肘をしっかり伸ばしたり、腕を重力に抗って持ち上げれば、緩んだ上腕三頭筋は引き締められる。エクササイズでは上腕三頭筋に負荷がかかっているか、意識しながら行おう。
[椅子プッシュ]
椅子の座面を使う。負荷がキツい人は、椅子より高さのあるテーブルなどを使ってもいい。
(5回×2セット)
1.椅子に浅く座り、両手で椅子の座面の縁を持ったら、足を少し前に移動し、お尻を座面から外す。膝は90度に。
2.両肘が90度になるようお尻を沈める。視線はまっすぐ前に向け、背中を丸めない。
3.両手で座面を押すように、息を吐きながら肘を伸ばし、お尻を元の位置に上げる。上げ下げを5回繰り返して1セット。10秒休み、もう1セット。
[ペットボトル・プッシュ]
500mlのペットボトルを2本使用。水の量を加減すれば、負荷の強度を変えられる。
(10回×3セット)
1.足幅は軽く開き、膝を軽く緩め、腹部は締めて立つ。ペットボトルを両手に持つ。
2.小さな"前ならえ"のイメージで、肘を若干後ろに引いて90度に曲げる。脇は締めて、肩は上げない。
3.肘の高さは変えず、ペットボトルを持った手を、息を吐きながら斜め後方へ動かし、肘を伸ばす。2、3を10回繰り返し、2セット。
[壁プッシュ]
壁を使えば腕の力がない人でも腕立て伏せが可能。でも、正しい姿勢で行うことが大事。
(10回×3セット)
1.壁に向かって立ち、肘を直角に曲げ脇を締め、両手を胸幅より広めに開いて、壁に手をつく。
2.両手は壁につけたまま1歩後ろに下がる。全身が一直線になるよう、二の腕の筋肉で支えて。
3.体のラインは2の状態を維持したまま、ゆっくり肘を曲げて体を壁に近づける。
NG.顎を上げて背中を反らし、胸だけ壁に近づけてはダメ。
4.息を吐きながら肘をゆっくり伸ばし、体を元の位置に戻す。肘の曲げ伸ばしを10回、3セット行う。
NG.腰やお尻などの筋肉を使って体を元に戻そうとしない。
『クロワッサン』1121号より