ポイ活、クーポン、ふるさと納税…デジタルで節約の達人になるための耳より情報。
節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに知っておきたいキーワードを聞いた。
イラストレーション・佐々木一澄 文・小沢緑子
今、お金で得するための鍵は“デジタル化の波に乗る”ことと丸山晴美さん。「たとえば昨年顕著だった銀行をはじめ各種手数料の値上げも、スマホアプリやネットを使えば余計な出費は抑えられます。苦手で避けてきた人もデジタル化は必須です」
小銭で運用を始める。
●ポイントやおつりにも働いてもらう。
「ポイ活で貯めたポイントは、今は買い物ではなく、運用に回すのもいい方法です」(丸山さん)
おすすめは、証券会社に口座を開かなくても、スマホのアプリ内で貯めたポイントを使って気軽に運用が可能な〈ポイント運用〉。
「小銭程度のポイントで投資の疑似体験ができ、慣れるのにもちょうどいい。途中でポイントを引き出して使うこともできます」
もうひとつ、ユニークなのが〈おつり投資〉のアプリ。
「クレジットカードや電子マネーを利用する際に100円や500円などキリのいい額で支払う設定にし、差額をおつりとして投資に回す仕組みです。貯金箱で貯めるのではなく、おつりにも働いてもらう感覚で行うといいでしょう」
[ポイント運用サービス]
【ポイント投資】
dポイントを1ポイント単位で投資体験に活用できる。おまかせ2コースと、日経平均株価、新興国、金(ゴールド)などテーマ別に運用する10コースがある。
【ポイント運用 by 楽天PointClub】
楽天ポイントを100ポイント単位で使用できる。日々の動きが大きく積極的な運用を目指すアクティブコースと、安定的な運用を目指すバランスコースの2つ。
【ポイント運用】
PayPayポイントを1ポイントから運用体験ができる。ユーザーは1300万人以上。米国の複数企業に分散するスタンダードなど、コースは5つ。
【au PAY ポイント運用】
Pontaポイントを100ポイント以上1ポイント単位で運用できる。コースは、複数ファンドを通じて分散投資するauスマート・プライム(高成長)に連動。
[\おすすめの/おつり投資アプリ]
【マメタス】
5つの質問に答えると最適な資産配分を自動で構築。クレジットカードなどでの買い物の端数を積み立てながら、ロボアドバイザー「WealthNavi」による資産運用に回す。おつり設定は100円、500円、1,000円から選択。新NISA口座にも対応。
【トラノコ】
3つのファンドから1つを選び、日々の買い物データから算出されるおつり相当分を投資に回せる。おつりの設定は100円、500円、1,000円単位。ほかにも、日々買い物などで貯めたポイントやマイルでの投資や定額設定も可。利用料月額300円。
クーポンで得しよう。
●コンビニやディスカウント店でも利用。
「スーパーやドラッグストアのアプリでポイントや割引クーポンを上手く使って買い物をしている人は多いと思いますが、意外に見過ごしがちなのがコンビニやディスカウント店」(丸山さん)
コンビニでは「特にローソンのアプリが使い勝手がよく、私は〈お試し引換券〉のクーポン(ポイントで新商品やおすすめ商品などと引き換えたり値引き購入ができる)で気になる商品と換えています。また、ドン・キホーテでよく買い物をするなら、電子マネー〈majica〉のアプリの利用が便利。店ごとで対象となる商品が異なりますが割引クーポンが配布されるので、買いたいものがあれば、さらにお得に購入することができます」
ただし、クーポンがあるからとむやみに買いすぎないように。
「必要なものだけに使う、節約の基本は忘れないでください」
お得な旅にでかけよう。
●旅行支援の割引クーポンをチェック。
観光庁実施の、全国を対象に旅行代金の割引や地域クーポンを付与する〈全国旅行支援〉。
「全国旅行支援自体は昨年終了しましたが、今年も引き続き自治体によっては旅行支援のキャンペーンを延長しているところも。タイミングよく行われていたら、少しでも安く旅行ができるかもしれません」(丸山さん)
各自治体の旅行支援のための割引クーポンは、旅行予約サイトなどで配布されていることが多い。枚数に制限があるため早い者勝ちだが、旅館やホテルの宿泊代や宿泊プラン料金、現地の交通機関、買い物や飲食に使えるクーポンなどもあり、手に入ればお得に利用できる。
ほかにも旅行予約サイトには独自のキャンペーンで割引クーポンを配布していることがあるので、目的の場所が決まったら該当するものがあるか一度チェックを。
[\おすすめの/得する旅行サイト]
●じゃらんnet
https://www.jalan.net
●楽天トラベル
https://travel.rakuten.co.jphttps://www.jalan.net
●ゆこゆこネット
https://www.yukoyuko.net
2月25日まで、温泉で有名な北海道・洞爺湖町では、宿泊プランの料金を割引する「とうや湖割」、2月29日まで、福島県では宿泊料金を割引する「福島県『来て。』割」。また、3月25日まで、島根県では宿泊プランを予約するとクーポンが付く「しまね和牛ご縁旅」「美肌ご縁旅」。ほかにも、愛知県では平日旅行がお得になる「あいちスキ旅キャンペーン」を実施。
*掲載の情報は1月23日現在のもの。すべて対象施設や対象プランでの予約が条件。期間内でも上限に達し次第、終了の場合があります。
地元のデジタル通貨に注目。
●コード決済、地域通貨の波にも乗ろう。
「スマホひとつでポイントや還元キャンペーンの恩恵を受けられる〈コード決済〉も見逃せません。たとえば、PayPayの場合、自治体などがコラボして10%、20%、30%などとポイントを還元するキャンペーンを実施していて、開催地は公式サイトでも発表。外出先や旅行先も該当していたら利用するとお得」(丸山さん)
地域の商店街などの活性化のために、特定のエリア内のみで使える〈デジタル地域通貨〉も注目。
「東京の世田谷区なら『せたがやPay』など、自治体支援のものが各地で増えています。ポイント還元のキャンペーンもあり、居住者以外も使えるのでよく出かける場所なら、地域通貨の波に乗るのもおすすめです」
[\人気の/デジタル地域通貨]
【さるぼぼコイン】
岐阜県の高山市、飛騨市、白川村で使え、1ポイント=1円で、現地の加盟店で利用できる。昨年11月から高山市と飛騨市のふるさと納税の返礼品として、このアプリで使えるポイントを提供。
【せたがやPay】
東京・世田谷区の店を応援する地域通貨。春のキャンペーンとして、3月31日まで対象加盟店での支払いで最大20%のポイント還元を実施。4月1日〜5月31日までは最大10%の還元を予定。
【いたばしPay】
東京・板橋区内で使える。2月29日まで対象加盟店での支払いでポイント最大20%の還元を実施中。また、アプリ内に1日の歩数や体重・食事記録などを行うとポイントが付与され貯められる機能も。
【Tango Pay】
1月15日にスタートした、京都・丹後エリアの地域通貨。道の駅 丹後王国「食のみやこ」をはじめ加盟店での使用のほか、限定情報や割引特典の受け取り、観光スポットや飲食店マップの検索も可。
ふるさと納税はこれを狙え。
● “訳あり、業務用、支援品”がキーワード。
災害支援の寄付でも注目され、ますます人気のふるさと納税。
「昨年10月に過度な競争を防ぐためにルールの変更があり、今まで返礼品の表現によく見られた『おトク』『ドカ盛り』『おまけつき』などといったワードが使えないように。ただ、『訳あり』『業務用』『支援品』といった表現は使えるようで、これらをお得感のある返礼品を探すときのキーワードにするといいでしょう」(丸山さん)
また、物価高の影響もあり、人気返礼品に日用品が増えているのも最近の傾向という。
「私は芯なし130mシングルの24個入りのトイレットペーパーをリピート。返礼品で配送してもらえば買い物の手間が省けますし、いざというときの備蓄になるのもメリット」
『クロワッサン』1111号より