骨がスカスカになって強度が下がり、転倒などの軽い衝撃で骨折のリスクが高くなる病気です。
この病気の患者の大半は閉経後の女性ですが、これは骨からカルシウムが溶け出すのを抑制してくれる女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が、閉経によって減少することが関係しています。
ほかにも、加齢による代謝の低下や運動不足、また若いときに行った無理なダイエットによる栄養不足、喫煙、飲酒などが骨粗しょう症の要因とされていますが、病気の治療薬の副作用で骨粗しょう症になるケースもあります。
骨粗しょう症になると、骨が非常にもろくなるため、例えば転倒した際に足の骨を折ったり、それを防ぐために地面に手をついた衝撃で手首の骨が折れたりすることも珍しくありません。
高齢者が足を骨折すると、そのまま寝たきりになるリスクが高くなりますが、骨粗しょう症で特に警戒が必要なのが背骨です。
骨粗しょう症になると、背骨にかかる圧力によって、知らないうちに背骨が潰れるように骨折していることがあり、これを「圧迫骨折」といいます。骨折に気づかないと、放置された背骨は潰れた形でくっついてしまいます。その結果、上半身を支える背骨が曲がってしまったり、背骨が潰れた分だけ背が縮んでしまったりするのです。
そのため、閉経後に背中が丸まったり、身長が縮んだりする症状が現れた場合は、早急に骨粗しょう症の検査が必要になります。
なお、骨粗しょう症の場合は背骨の骨折は背中をぶつけても起こりますので、ぶつけた直後から背中や腰が痛む場合は背骨の骨折を疑うようにしましょう。
ただし、骨粗しょう症になってしまうと、年配者ほど骨の強度を以前の状態に戻すことが難しくなります。そのため、そうなる前の若いうちから、骨密度の低下を予防するための生活習慣を心がけることが大切になってきます。
【背骨の圧迫骨折】