腸活の成果が上がらない人は試したい。低FODMAP(フォドマップ)食事法 とは?
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・中島陽子 構成と文・野尻和代
低FODMAP食事法 とは?
発酵食品や食物繊維をたっぷり摂っているのに、便秘や下痢が改善されない、あるいは、おなかが張ってつらい……。そんな不調の裏には、SIBO(小腸内細菌増殖症)という病気が隠れている可能性があるという。
「SIBOは口腔内や大腸にあるべき細菌が小腸に入り込み、食事に含まれる糖を餌にして増殖する病気。その場合、よかれと思って摂取していた発酵食品などが、逆に症状を悪化させていることがあるのです」と、医師の江田証さん。
そんな人に試してほしいのが低〝FODMAP(フォドマップ)〟食事法。
FODMAPとは、小腸で吸収されにくい4種類の糖質〝オリゴ糖〟〝二糖類〟〝単糖類〟〝ポリオール〟のこと。まずは、3週間の除去期の食事でこれらをすべて控え、その後の5週間のチャレンジ期で、自分の体質に合わない糖を1グループずつ検証し、特定するというメソッド。
「そこで特定された糖を避けた食生活を続けることで、おなかの不調はかなり改善できるはず。ただし、SIBOはアレルギーではないので、一生食べられないわけでも完全NGでもありません。逆に、歳を重ねると問題がなくなることもあるので、腸の様子を見極めながら調整をしてください」
「FODMAP」とは?
●(F)発酵性の(以下4つの糖質)
Fermentable
●(O)オリゴ糖
Oligosaccharides
・フルクタン
小麦(パン、うどん、パスタなど)・たまねぎ・にんにく・にら・柿・桃 など
・ガラクトオリゴ糖
豆類(大豆、ひよこ豆など)・とうもろこし・納豆・豆乳・カシューナッツ など
●(D)二糖類
Disaccharides
・乳糖(ラクトース)
牛乳・ヨーグルト・クリームチーズ・ブルーチーズ・アイスクリーム など
●(M)単糖類
Monosaccharides
・果糖(フルクトース)
はちみつ・りんご・すいか・梨・マンゴー・アスパラガス など
●(A)
And
●(P)ポリオール(糖アルコール)
Polyols
・ソルビトール
とうもろこし・りんご・梨・桃・さくらんぼ・プラム など
・マンニトール
しいたけ・マッシュルーム・さつまいも・カリフラワー・さやえんどう・すいか など
・キシリトール など
CHECK LIST あなたの腸の不調は「FODMAP」が原因かも?
慢性的におなかの不調を感じている人は、下記の項目をチェック!
1つでも当てはまったら、低"FODMAP"食事法を試してみる価値はあります。
□ お米を控えて糖質を取りすぎないようにしているが、おなかが張る。
□ パンやパスタを食べると下痢をしたり、おなかが張ったりする。
□ 牛乳やチーズなどの乳製品を食べるとおなかが痛くなる。
□ 毎朝、ヨーグルトを食べているのに、便秘や下痢が改善しない。
□ ごぼう、豆などの食物繊維を摂ると、ガスが増えたり、便秘や下痢がひどくなる。
□ 納豆、キムチなどの発酵食品を食べても、おなかの不調が治らない。
□ たまねぎやにんにくを食べると下痢や腹痛に襲われる。
□ きのこ類を食べるとおなかの調子が悪くなる。
□ りんごや桃、柿を食べるとおなかが不快な感じになる。
□ キシリトールガムを噛むとおなかがゆるくなる。
『クロワッサン』1061号より