まずは年会費・月会費・サブスク料金など、定期的に払っているお金を見直そう。コロナ禍で始めた今は観ていない動画配信サービスや、買い物に行けないからとなんとなく契約したお花のサブスク料金などを払い続けていないだろうか。
丸山さんは、「クレジットカードもできれば年会費無料のものがいいですよ。年会費を払った分のメリットがあればいいのですが、最近のクレジットカードの特典はあまり魅力的でなくなっているので、払う必要性を感じません。
コロナ前は旅行の際ラウンジが使える、マイルがたまる、サポートデスクが利用できるなどの特典があり、年会費を払う意味がありましたが、今はこれらのサービスをあまり活用できないので、解約してもいいのでは?」と指摘する。
スポーツジムや習い事も、コロナ禍での休みが、本当に続けるべきか見直すきっかけになった人もいるだろう。「休会」ではあまり見直す意味がないから、迷うなら思い切って一度やめてみよう。
「入会するのは簡単ですが、解約しにくいシステムになっている場合もあります。解約はネットからできずに電話だけとか、電話もつながりにくいとか。あきらめずに解約手続きをしましょう。そうしないと、ずっと払い続けることになってしまいます」(丸山さん)
八ツ井さんは、起点に戻り、「なぜそれを始めたか?」を考えることが大事だと言う。
「たとえば、『リモートワークで在宅時間が増えたから、映画観放題サービスの契約をした』など、みなさん最初は目的があって始めたはずです。
それなら、その状況は今、どう変わったのでしょうか。もう必要なければやめればいいのですが、人はいったん受け入れた現状を変えることに不安を感じてしまいます。それで、『いずれまた使うんじゃないか』『とりあえずそのままでいいや』と考えて、なかなか解約できなくなるのです。しかし、使わないものは、勇気を持って手放しましょう」
コストの大きさを考える際に、八ツ井さんも丸山さんも、月料金ではなく累計額で考えることを勧めている。
月に1,000円程度でも、年間にすると1万2000円、5年で6万円、10年で12万円になる。それだけのコストをかけて充分な満足度が得られていればOKだが、そうでない場合は解約しよう。
年会費・月会費・サブスクの料金を見直す順番は、(1)きっかけが何だったのか思い返す、(2)状況がどう変化したのか考える、(3)コストに対して今も満足度が伴っているかどうかを判断する、の3ステップだ。
八ツ井さんは、「悩んだら1回やめてみるのもお勧め」と言う。
「やめてみると、『なくても平気』だということに気づけます。今はあれもこれも手に入れたい物欲社会なので、『あると便利なもの』が多い時代。1つやめてみると、『これもなくてもいいかな』と考えられるようになります。そして、毎月かかる固定費については、一覧表をつくっておくといいでしょう。そうすれば、固定費の見直しを定期的に行う際に役立ちます」