●「雲がちぎれる時」UA
●「Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜」YEN TOWN BAND
選んだ曲は、どちらも1996年リリースのもの。
この年は、私にとって大きなターニングポイントとなる年で『萌の朱雀』という長編第1作を撮影している時だった。
定職にもつかず、映画を撮ることだけにほとんどの時間を費やしていた頃、世間からは何をしているのかわからない風来坊のように見られていたと思う。そんな時、拠り所もなく、迷うように知らない道をさまよい、「あいのうた」を聴きながら、空を見上げていた。
「雲がちぎれる時」にも同じような感覚があって、誰かに見つけてもらいたいのだけれど、誰にも見つかりたくないような、自分が自分であり続けることの難しさを感じていた頃によく聴いた。今も、時々繰り返し聴く曲だ。