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キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

家計の見直しに大いに役に立ってくれるのが、現金以外の方法で買い物をしたときにたまるポイントの活用。“ポイ活”の達人、紀村奈緒美さんに効率的なため方を聞きました。

撮影・青木和義 文・生島典子

紀村奈緒美さんがお金の節約を始めたきっかけは「ねんきん定期便」。

「会社員として働きながら、シングルマザーで子育て中だったある日、将来受け取れる年金額が月額11万円と知ってびっくりしました。万が一、自分が健康ではなくなってもできることはないかと考えて投資の勉強をし、今はアパート経営などをしています」

会社員の頃は頻繁にタクシーを使い、コーヒーショップで1日3〜4杯の飲み物を買う浪費生活。将来のためにお金を貯める発想がなかったという。

「このままではいけない。どうしたらお金が貯められるのか?を考えたら、少しのお金も大事にしたほうがいいなと思い、使わずにすむお金はなるべく貯めて、使うためのお金は有意義に使おうと意識が変わりました」

ポイントやキャッシュレスに興味を持ったきっかけは、銀行のATM手数料が高いと感じたこと。

「うっかり休日夜のコンビニATMで現金をおろしたら、手数料が200円以上もかかって。それから現金を引き出す回数を減らし、3年ほど前からついに現金をおろさなくてすむキャッシュレス決済に切り替えました」

それまでは1万円以上の買い物にクレジットカードを使う程度で、年間のポイントが2万円分だった紀村さん。できる限り現金を使わないようにしてキャッシュレス決済に切り替えると、毎月約2万円分のポイントがたまるようになった。年間では24万円分になる。

「キャッシュレス決済は、使うのに慣れるまで少し時間がかかりますが、生活習慣にしてしまえば簡単です。やってみると小銭を出す手間が省けて時短になるし、ポイントがたまるし、記録が残るから出費の確認もできていいですよ。
何よりも、ATM手数料を払わずにすむようになりました。今ではコンビニでの買い物、ランチなどの外食、洋服やバッグなど、日々の出費をほぼポイントで支払っています」

キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

紀村さんの獲得ポイントの変化

それまでは…
【ポイント2万円分(年間)】
    ↓

キャッシュレス&ポイ活で…
ポイント2万円分×12カ月=
ポイント24万円分(年間)

【☆22万円分のポイント増!】

[STEP1]「キャッシュレス決済」って、そもそも何?

「キャッシュレス」とは、現金を使わずに決済することで、主にクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードの4つがある。現金の代わりに、カードかスマホのアプリを使って決済する。決済方式や決済手段によって使い勝手やおトク度が違うため、どのキャッシュレス決済を選んで使うかがポイントになる。

「クレジットカードは、まずは還元率が1%あるものを選べばいいです。使い過ぎを防止したい人は、買い物したら即時に口座から引き落としになるデビットカードがいいでしょう。電子マネーは、『Suica』などの交通系は使えるお店が多いのが便利です。
QRコード決済は最近始まった新しい決済方式。早く浸透するように、通常のクレジットカードよりも還元率が高く設定されている場合があります。最初は面倒かもしれませんが、始めてみることをおすすめします」(紀村さん)

キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

●クレジットカード
日本では1960年代から使われている決済方法。加入時には審査がある。月に1回、使った金額がまとめて銀行口座から引き落とされる。後払い。

キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

●デビットカード
買い物をすると、連携している銀行の預金口座から即時に引き落とされる。口座残高の範囲までしか使えないので、使い過ぎ防止には効果的。

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●電子マネー
『Suica』などの交通系と、『nanaco』などの流通系があり、カードタイプとスマホのアプリから選べる。プリペイド型が主流。一部後払い型も。

キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

●QRコード決済
スマホにアプリをダウンロードして、画面にQRコードやバーコードを表示して店側に読み取ってもらうか、店のコードを読み取って決済する。

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[STEP2]ポイントの種類はどんなものがある?

キャッシュレスでポイント取得。達人に聞く“ポイ活”の基本。

4大共通ポイントと呼ばれるものが<楽天ポイント><dポイント><Tポイント><Pontaポイント>で、流通系のポイントに<WAON POINT>と<nanacoポイント>がある。

「これらのポイントは、多くの店舗やサイトでためやすく、また使いやすいのでおすすめです」(紀村さん)

注意したいのが、<WAON POINT>と<WAON ポイント>の違い。イオンなど<WAON POINT>加盟店で現金・電子マネー『WAON』決済をしてつくのが<WAON POINT>。WAON POINT非加盟店の電子マネー『WAON』決済でつくのが<WAON ポイント>になる。

ポイントをためるツールは、1.ポイントをためるだけのポイントカード、2.事前チャージで使うプリペイドカード、3.クレジットカード、4.スマホのポイントカードアプリ、5.電子マネー付帯のカードやアプリなどがある。

【4大共通ポイント】

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●Pontaポイント
ローソンや髙島屋などで利用可能。1.2%と高還元率の『リクルートカード』でためるのがおすすめ。auと提携していて、auユーザーはためやすい。『JALマイル』にも交換可。

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●dポイント
ドコモユーザーでなくてもためられるが、携帯の利用料金でもポイントがつくのでドコモユーザーのほうがたまりやすい。『dカード GOLD』なら、さらに高還元率でためられる。

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●Tポイント
歴史があり汎用性が高い。ソフトバンク、ワイモバイルユーザーは携帯利用でもたまる。Tサイトで『Yahoo! JAPAN ID』と連携すると、さまざまなサービスでポイントがつく。

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●楽天ポイント
『楽天市場』のほか、『楽天トラベル』、『楽天銀行』など生活全般を網羅していて、ためやすく使いやすいポイントサービス。『楽天カード』を持ったほうが効率よくためられる。

【流通系ポイント】

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●WAON POINT
イオングループの店舗で、電子マネー『WAON』や『イオンカード』で払うと多くの特典がつく。クレジットカード『イオンカードセレクト』を持つとさらにポイントがためやすい。

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●nanacoポイント
セブン&アイグループなどnanacoマークのある店舗で電子マネー『nanaco』や『セブンカード・プラス』を利用するとたまる。対象商品を購入すればボーナスポイントも。

  • 紀村奈緒美

    紀村奈緒美 さん (きむら・なおみ)

    ポイ活マスター

    広告会社勤務を経て30代後半から不動産経営を学び実践。近著に『ポイ活でおどろくほど得する方法』(あさ出版)。

『クロワッサン』1038号より

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