京都は北野天満宮からすぐの古民家に「GROWOLD(グロウオールド)」の工房がある。主宰するのは、ハンドメイドの靴を作り続けて12年の長谷川良子さんだ。「手のひらで包むような一足」を心がけていると長谷川さんが話すのは、顔や性格が違うように、一人ひとり、足も違うから。
「必ず対面で、お悩みやお好みなどをじっくり伺って、人となりを理解した上で靴を作り始めます。履くほどに足になじみ、履くほどに愛着がわいてくる――その方の人生に寄り添っていける靴を手渡しすることが、私の仕事です」
きっかけはドイツで見たベビーシューズ。人生を歩みすすめる靴に、子どもの健やかな成長を祈り、見守る人の心を重ねる習慣に心惹かれた。