生鮮食品の鮮度をキープ、冷蔵庫のチルド室の正しい使い方。
撮影・岩本慶三、青木和義、森山祐子 文・室田元美
【チルド室】
生鮮食品は低温で鮮度をキープするチルド室へ。
●温度
約0度
●特徴
冷凍寸前の状態で肉や魚の鮮度が長持ち。
●適した食品
肉、魚介などの生鮮品。チーズ、キムチ、納豆などの発酵食品。生麺、かまぼこなどの練り物、漬物など。
買ってきた肉や魚はそのまま保存する。
パックのままチルド室に入れて保存。「ドリップなどで庫内が汚れるのが気になるときは、パックごとポリ袋に入れましょう」
下処理した肉や魚も 長持ちさせる。
茹で豚、茹で鶏、魚の西京漬けや味噌漬け、昆布締めなども冷蔵室よりチルド室のほうが長持ち。ジップ付きの袋などを活用して。
発酵食品の長期保存に最適な場所。
ヨーグルト、納豆、味噌(冷凍室での保存も可能)など発酵食品はチルド室で保存すると発酵が進みにくく、おいしさをキープ。
冷蔵庫で賢く管理すれば、食材を死蔵しません。
冷蔵庫の食材をダメにして捨ててしまった苦い経験は、だれにもあるだろう。とくに傷みやすい夏場は要注意だ。食品ロスにも詳しい料理研究家の島本美由紀さんによると、
「日本では年間1人あたり2万2000円の食品ロスを出しているんです。仮に4人家族だと相当な総額ですね」
お金も食材もムダにする暮らしは、いまこそ見直しどき。そこで、冷蔵庫の食品を死蔵しないコツを聞いてみた。
島本さんによると、食品ロスがとくに多いのは、野菜と調味料。そこで自身が実践しているのが、こんな方法。
「買い物の前にまず冷蔵庫をチェック。野菜室の中身はスマホで写真を撮って、売り場でそれを見ながら足りないものを買うようにします」
調味料などは月に一度、日を決めて「見直しデー」を作るといいとのこと。
「冬に大活躍したゆず胡椒、古くなったオイスターソースなどを見つけたら、それを使うためのレシピを考えます」
収納の基本は死角を作らないよう、〈見える〉〈まとめる〉〈取り出しやすくする〉が3カ条。そして、チルド室、冷凍室、野菜室の温度を知って正しく収納、保存すること。
「収納は7割が限度。詰めすぎると取り出す時間がかかって庫内の温度が上がり、食品も傷みやすくなります」
島本美由紀(しまもと・みゆき)さん●料理研究家。ラク家事アドバイザーとしても活躍。著書多数。新刊は『調味料保存&使い切りのアイデア帖』(パイ インターナショナル)。
『クロワッサン』1026号より