「絶好調!というときは、40歳を越えてからはないかもしれません」
と大久保佳代子さん。もともと肩こりがひどく、首の痛みはここ10年意識しない日はなかったという。
「いちばんの痛みが10だとすると、今朝は6だから大丈夫とか、そのくらいで自分にOKを出しているんです」
あきらめ気味の大久保さんだが、テレビでの活躍を見ていると姿かたちはしなやかだし、声の出し方や舌の動きも柔らか。感じる力を取り戻せば身体の疲れは簡単に解消できる、とボディワーカーの藤本靖さんは太鼓判。
「ボディワークは『感覚の教育』とも言われるほど、呼吸を感じたり、筋肉が伸びる感じを味わったり、自分の身体の感覚に意識を向けるテクニックです。ほんのちょっと工夫するだけで、身体の悩みを解消できるんですよ」
そこで藤本さんが取り出したのはどこにでもありそうなタオル。これを脇にはさんだり、腿や頭、肘に巻きつけたりすることで身体が楽になるという。
「タオルはさむだけで? 信じがたい」と、驚く大久保さんに、
「ポイントは筋肉や内臓を包む薄皮の筋膜です。筋膜は筋肉を含むあらゆる臓器が安定して働ける空間を作っていて、しかも臓器どうしを連携させる働きのあることが近年わかってきました。この筋膜は刺激に対する感受性が高く、身体のセンサーとして働きます」