愛猫が長生きする、
ストレスフリーな生活の9か条。
愛猫にはできるだけ元気で長生きしてほしい。だからこそ知っておきたい猫にとってストレスフリーな生活。猫専門医の服部幸さんに、気をつけるべき9か条を聞きました。
1.たばこは御法度。
リンパ腫発生率を高めます。
猫にとってたばこの煙はストレス以外の何ものでもありません。
「副流煙は猫の被毛につきます。そして猫は毛繕いのたびにその毛をなめることになる。つまり猫は有害物質を吸い込むだけでなく、口からも摂取することに。リンパ腫の発生率が高くなることも明らかにされています」
できれば禁煙。難しいならせめて喫煙場所には猫を入れないようにするなど工夫しましょう。
2.アロマの香りや消臭剤も要注意。
たばこ同様、注意したいのがアロマ。植物のエキスを濃縮してつくられる精油が、ときとして猫にとって毒となることがあるため、猫のいる部屋ではアロマやお香はたかないほうがいい。芳香剤や消臭剤もしかり。使う場合はメーカーに確認をする。安全かどうかわからない場合は使わないほうが無難。臭いを除去することを目的とするなら空気清浄機を使いましょう。
3.人間の不規則な生活が猫を不健康にする!
飼い主がいつ寝ていつ起きるのか、また、いつ帰ってくるのかわからないなど、極端に不規則な生活を送っていると猫の生活リズムも乱れます。すると落ち着きがなくなったり、ストレスで下痢や嘔吐、食欲低下などを起こすことも。猫の健康を望むなら、まず飼い主が、自分自身の生活を見直すことが先決です。
4.老猫になったら住環境を大幅に変えない。
「猫の寿命は猫種や血統より生活環境に大きく左右されると言われています」
とくに老猫は環境の変化に弱いもの。自分のなわばりがガラッと変わるのは苦痛でしかありません。引っ越しはもちろん、自宅のリフォームや大幅な模様替えも極力避けることが理想的。
5.猫によっては多頭飼いがストレスに。
猫は本来、単独で生活する生き物。フレンドリーな猫なら退屈しのぎになるかもしれないが、狭い空間に多くの猫がいることが苦痛の場合も。とりわけ老猫は過度な刺激を好みません。新しい猫を迎えることは控えたほうがいいことも。
6.10歳を超えたらシニア食に切り替えを。
猫は年とともに運動量が減り、代謝も低下します。元気な頃と同じ食事や量では肥満を招き、病気になる恐れも。
10歳を超えたあたりで少しずつシニア用フードに切り替えましょう。また食欲が落ちてきたと感じたらドライフードを水でふやかしたり、人肌に温めることも猫の食欲を刺激するコツ。
7.魚より肉が好き。手作りフードの注意点。
飼い主の中には猫の健康を考えて、ご飯を手作りする人もいる。
「その際、魚を中心にするのはNG。猫はネズミや鳥を食べる肉食であり、魚ばかりを与えると寿命を縮めることに。手作りするなら猫の栄養学をきちんと理解した上でやることが大切」
市販品は不足する栄養を補っているものが多いですが、フードが合っているかどうかを獣医師に相談するのがおすすめ。
8.新鮮な水を用意し、水飲み場の数を増やす。
猫にとって水分はとても大切。不足すれば腎不全を招くことに。いつもできるだけ新鮮な水を用意し、老猫になったら部屋のあちこちに水飲み容器を置いておく工夫も大切です。
9.老猫には、より小まめなブラッシングや爪切りを。
老猫は毛繕いや爪研ぎをあまりしなくなる。爪が出しっぱなしになるため肉球に食い込んだり、絨毯やカーテンに引っかかることも。若いとき以上にケアが必要です。
◎服部幸さん 猫専門医。『ネコにウケる飼い方』『ネコの本音の話をしよう』(共にワニブックス)など著書多数。愛猫はナイトくんとクイーンちゃん。
『クロワッサン』916号(2016年1月10日号)より
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