寒くなると油汚れが落ちにくい。キッチン掃除がますます面倒。【プロが答える冬の掃除術】
できるだけラクに清潔に保つための方法を住生活ジャーナリストの藤原千秋さんとナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんにに聞いた。
イラストレーション・ヤマグチ カヨ 文・小沢緑子
[冬の困った!]寒くなると油汚れが落ちにくい。キッチン掃除がますます面倒。
「肉を焼いた後の脂が、冷たい水より熱いお湯のほうが落ちるように、油汚れは温度が高いほうが落ちやすくなります。それは気温においても同じこと。暑い夏より寒い冬のほうが油汚れは落ちにくくなります」(本橋さん)
とはいえ、時間が経って乾き、ガッチリ固まった油汚れは、温度や気温が高くても落ちにくくなる。
「キッチンのコンロも壁も換気扇のフードも、油が飛び散ったらすぐ拭き取るのが結局は一番ラクな方法。お湯や洗剤なしにサッと拭き取れますから」
その場合、布ふきんを使うと油を洗い落とすのが手間。使い捨てにできる古布やペーパータオル、トイレットペーパーなどを収納ボックスに入れてキッチンに常備しておくといい。
「あとから拭こうと思うとやらなくなるので、手が届く場所に置いてすぐ拭き取れる態勢を整えておくことがポイントです」
掃除をはじめとする家事の困りごとで、今の時季、一番のキーとなるのは寒さ、と住生活ジャーナリストの藤原千秋さん。
「窓を閉め切りがちな分、家の中にホコリや余分な湿気がたまりさまざまな問題が起こります。また寒いと単純に掃除が億劫になる問題も(笑)」
ただ掃除の常識は変化している。
「掃除機は窓を開けっ放しでかけなくてもいい。窓を閉めて暖房をつけたままのほうが体は動くし、あとからしっかり換気をしたほうが効率的にホコリを追い出せます」(藤原さん)
この冬は掃除をする際に消毒が気になるかもしれないが、ナイーブにならないように、というのはナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさん。
「家庭内は不特定多数の人が出入りする環境ではないので、消毒をしたほうがいいケースはそう多くない。通常のホコリや汚れを取り除く掃除をするだけで、菌の数は減ります。日常の掃除をこまめにすることが先決です」
『クロワッサン』1034号より