【台湾・東三水街市場(ドンサンスエジエシーチャン)】雨の日も楽しめる、歴史あふれる台所市場を散策する。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・別府麻衣 コーディネート・KEYWORD
早起きして市場へと思ったら、あいにくの雨……そんな時でも頼りになるのが東三水街市場だ。MRT龍山寺駅から徒歩3分ほどにあり、アーケードには100を超える店舗が軒を並べる。
1935年に前身となる新富市場(シンフウシーチャン)として開設された歴史を持つだけに、創業50年以上、現在の店主が3代目という店も。生鮮食料品店のほか惣菜店も多く、巻き寿司や中華風おこわを売る店もある。活気ある市場を巡るなかで、店先から試食をすすめられたりもするはず。
市場のある西台北付近は、台湾語で「艋舺(バンカ)」と呼ばれ、台北一繁栄したエリアだった。当時の面影を残す歴史地区もあるので足を延ばしてみたい。
合興八十八亭 (ハーシンバーシューバーティン)
時間に余裕がなければ蒸し菓子のテイクアウトも可能。
古い日本家屋を改装して2017年にオープン。落ち着いた雰囲気の店内では、米粉や穀物を使って作るさまざまな蒸し菓子が特選台湾茶とセットで楽しめる。
東三水街市場(ドンサンスエジエシーチャン)
地元の人たちの買い物術を間近で体験できる。
観光名所、龍山寺そばの東三水街市場は、200m以上続くアーケードが特徴。食材やおかずを売る店が両側に並び、活気ある売り声が早朝から飛び交う。イートイン可能な店も多い。
阿琴米粉湯(アーチンミーフェンタン)
アーケード探索の終わりに朝の麺で小腹を満たす。
東三水街市場の東側の出口付近にある。刻みセロリや干しえびが入った米粉湯(25元)は、アーケード内を散策した後での軽い食事にちょうどいい量。粉腸(腸詰め/50元)もおすすめ。
新富町文化市場(シンフーティンウェンホアシーチャン)
歴史ある建築物が市場文化を伝える施設に。
公営市場として建てられ、馬蹄形のモダンな建築スタイルを残していた新富市場が一昨年リニューアル。当時の市場の雰囲気を伝えるジオラマや資料の展示をはじめ、歴史に触れられる空間に生まれ変わった。
大豐魚丸店(ダーフォンユーワンデェン)
60年続くつみれ店で、あつあつの揚げ物を。
自家製の練りもので有名なこちらは、市場に店を構えて60年以上。揚げ団子や揚げゴボウ、スペアリブも人気だ。店頭に並ぶ中から自分で皿に取りわけて注文すると、厨房で再度揚げてくれるので、あつあつを食べることができる。
剝皮寮歷史街區(ボーピーリャオリーシージエチュー)
当時の暮らしがわかる、“老街”の雰囲気を残す。
市場のある三水街と並行して走る廣州街には清朝時代の街並みを残す一画がある。赤レンガの建物が続くなかを進んでいくと、当時の商店街や、人々の暮らしがわかる光景が広がる。
*1台湾元=約3.6円(2019年2月22日現在)
『クロワッサン』993号より
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