【劔樹人さん】日々の家事を一手に担う、主夫たちの言い分とは。
男性の目線で考える、家事の苦労やアイデアとは? 家事歴数年の劔樹人さんに語ってもらった。
撮影・岩本慶三 文・嶌 陽子
家に人が手伝いに来てくれると、育児中の気分転換にもなる。
そんな主夫生活も、2年前の娘の誕生で大きく変わった。育児も仕事もあるなか、家事が充分こなせない状況に。一人で抱え込んでしまうタイプの劔さんを見かね、犬山さんは家電や人手を積極的に活用することを提案した。
「最初は『自分がやるべき仕事なのに』という抵抗感があったんですが、今ではよかったなと思いますね」
たとえば、食洗機。場所を取るので悩んだものの、思い切って購入したところ、洗い物の負担がぐっと減った。さらに、週に数回、シルバー人材センターの家事支援サービスを頼むように。
「お風呂場などの水まわりの掃除をしてもらって、すごく助かってます。子どもがいるとなかなか外出できないので、家に人が来てくれるだけで気分転換にもなるんです」
人を上手に巻き込むことで、育児の大変さも乗り切っているようだ。
「家事は、ただ毎日一生懸命やるだけ。うまくできたと思うことはないです」
そう語る劔さん。横にいた犬山さんが、「最近、娘が彼の作ったごはんを食べて『おいしい!』と言うんです。それを聞いた時のつるちゃん、本当にうれしそうですよ」と教えてくれた。
〈劔さん流、主夫生活のアイデア〉
料理の腕前がぐっと上がる、 愛用の道具と調味料。
いただきもののスポンジと 洗剤は、今や手放せない。
犬山紙子(いぬやま・かみこ)●エッセイスト、漫画家。1981年、大阪府生まれ。執筆業やテレビ、ラジオのコメンテーターのほか、社会的養護啓発プログラム「こどもギフト」にも取り組んでいる。
劔 樹人(つるぎ・みきと)●漫画家、ミュージシャン。1979年、新潟県生まれ。現在は執筆業、家事、育児をこなす。著書に『今日も妻のくつ下は、片方ない。』(双葉社)など。
『クロワッサン』991号より
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