【山田ルイ53世のお悩み相談】景気の悪い業界で働いているのが不安です。
撮影・中島慶子
<お悩み>
世の中の不景気と共に会社の景気も悪くなる一方で、将来的な展望が見えません。
元々好きで入った会社だし、長年勤めたこともあり、会社に対する愛はあるけれど、右肩下がりの業績で、このままどうなって行くのか不安です。
業績の悪化とともに社内の雰囲気も悪くなり、ベテラン平社員に向ける無言の圧力も怖くて……。 要するに、会社だけでなく私自身の将来が見えないことからの不安です。
人生経験豊富な山田ルイ53世さんはこれまで将来が不安なとき、どのように乗り越えてきましたか? じゃあ辞めればいい、という以外のアドバイスをお願いします!
(相談者:ヴィロン/女性/40代後半、新卒で入社して勤続20年超)
山田ルイ53世さんの回答
本当に、このまま右肩下がりであれば、会社ですからいつかは潰れます。
将来が見えないと言いつつ、考えると不安になるような未来があなたにはしっかり見えているわけです。
文面からすると、"ブラック企業"ということでもなさそう。相談者の意向にも反するので心苦しいのですが、
今すぐ辞めないまでも、普段から転職を想像しておくというのは有効です。
色々なものを見聞きし情報を集め、自分が行けそうな会社の募集があるかどうか調べておく。
いざというときの逃げ道を確認しておくだけでも、気持ちの穏やかさは変わってくると思います。
繰り返しますが、先が見えないと言いながら、見ている先が一つしかないから不安になる。
このままだとその不安な選択肢しかないから追い詰められる。
盲腸と一緒で、痛みは散らしていきましょう。
二宮尊徳さんみたいに何でもがっつり背負っては僕達凡人は生きていけません。
ときには、誤魔化していく、逃げる、不安をミュートしていくというのは、大切なことです。
その手段として、ぼんやりとでもいいので、避難経路を幾つか用意しておくのは悪いことでは全くないし、大人として当然のこと。
幸運を祈ります。
山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
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