最後まで責任を持ちたい、いらなくなった物の3つの処分法。
イラストレーション・篠塚朋子 文・板倉ミキコ
買い物好きだから、物の行く末も考えています。【作家 山内マリコさん】
「“反消費”でも“消費礼賛”でもなく、そこそこまじめな消費者でありたい」と著書『買い物とわたし』に綴っていた山内さん。
「買い物が好きだからこそ、買ったものの行く末も考えるようになりました。フランス人のドミニック・ローホーさんの本『シンプルに生きる』に書かれていた、“上質な物を少しだけ”という生活には憧れますが、その域にはまだまだ。でも、手に入れたものはできるだけ長く所有する気でいますし、物の寿命は全うさせるつもりでいます。ただ部屋の中をスッキリさせるだけなら、捨てるのが一番楽でしょうが、物のまま捨てるなんてことは絶対したくありません。リサイクルを利用したり、寄付に回すなどして使えるものは循環させ、心が痛まない方法を選びます。メーカー側も、もっと自社でリサイクルの場を設けてくれたら、と。買ったところに戻せる捨てないシステムができたら、物を処分する罪悪感は今よりも減る気がするんです」
洋服は定期的にリサイクルへ回す。新陳代謝を継続中。【イラストレーター 進藤やす子さん】
10年ほど前、溢れるものに囲まれた暮らしを卒業しようと、進藤さんが一大決心して始めたのがリサイクル。今では収納場所に収まらない分は定期的に処分し、スッキリした部屋をキープしている。
「整理整頓された部屋の心地よさを知ったら、物が溢れた前の部屋の状態には戻りたくなくなりました。でも、おしゃれを楽しむ気持ちも私にとっては大切。今も人に比べたら物が多い状態だと思いますが、何を持っているか、所有物は全て把握していますし、使いこなせています。丁寧に使っているので、リサイクルに出すときにも比較的きれいな状態なんです。どれも好きで買ったものだけど、自分で決めた所有量を超えたら、一軍でなくなったものはリサイクルへ。結果、年に5、6回は出していると思います。もしかしてまた着るかも、と迷ったものでも出して後悔したことは一度もないので、使えるかどうか迷うのは、手放すタイミングなんだと思います」
『クロワッサン』987号より
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