子供にとって必要なことは苦痛を恐れ、やらないということではなく「ある行動」の結果の意味を考えて、やらないようになることです。 ―堀江重信(みなみ子供診療所々長)
文・澁川祐子
子供にとって必要なことは苦痛を恐れ、やらないということではなく「ある行動」の結果の意味を考えて、やらないようになることです――堀江重信(みなみ子供診療所々長、南生協病院小児科医長)
創刊号に掲げられた「ふたりで読むニューファミリー生活誌」というキャッチコピー。女性だけでなく、夫婦ふたりで暮らしを考えるという新しいコンセプトを掲げ、出発しました。そのため創刊後しばらくは、「土曜日のためのプチ・クロワッサン」と題した男性向けページがありました。
今回紹介した名言が掲載されているのは、そんな男性向けページ内でスタートした「男のための育児学」という連載。お父さんから寄せられた質問に、専門家がわかりやすく答える構成になっています。
<さわってはいけないと教えているごみ箱をしつっこくちらかすので手をピシャっとたた>いてしまったというお父さん。体罰はよかったのだろうかという問いに対し、先の名言が出てきます。苦痛を与えることで、ある行動をさせないようにするのではなく、その行動がどういう結果を生むかを考えさせる育て方が大切ということです。
ちなみに連載は、次のような書き出しからはじまっています。
<むかしは育児というと母親とおばあちゃんだけのものだった。/ところが、核家族化が進んだ戦後派夫婦ともなると、親父(パパ)があれこれ口をだす。そんなに心配ならば少しは知識があるのかと思えば全くない。>
「イクメン」が流行語になったのは2010年のこと。昨今では父親の育児参加も珍しくなくなりましたが、その萌芽は、じつは20年近く前からあったことに気づかされます。
※肩書きは雑誌掲載時のものです。
澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。
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