冬の味覚を堪能する。きらきら羽越観光圏の旅<1>
文・斎藤理子
今も修験者が修行する、出羽三山の聖地へ。
庄内は、出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)の山岳信仰の中心地でもあります。出羽三山は1400年も前に、崇峻天皇の皇子・蜂子皇子が開山したと伝えられ、以来修験道の霊場として、人々の信仰を集めてきました。今も山岳修験者たちが修行を積む聖なる神域となっています。月山と湯殿山は冬季の参拝が不可能なため、羽黒山の頂上に出羽三山神社が建立され、出羽三山神社三神合祭殿では三山の神々を合祭。ここを参拝すれば、三山をお参りしたのと同等のご利益があるとされています。
羽黒山の森の中にたたずむ五重塔は、南北朝時代に建てられた東北最古の塔で、国宝に指定されています。木立の中から突然現れるその姿は圧倒的。素木造という、漆や朱塗りなどがほどこされていない白木のままの塔は、素朴ながらも力強さにあふれ、息をのむほどの美しさ。近くには、樹齢1000年(!)、樹の周囲10mの巨杉、爺杉があります。
また広大な山内には百八末社といわれる社があって、八百万(やおろず)の神々が祀られています。荘厳で神秘的な羽黒山は、強力なパワースポットとしても有名。庄内を旅する際には必ず訪れたい場所のひとつです。
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