クロスのリメイク──松田美智子の「くらしの歳時記」
古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「クロスのリメイク」。
撮影・鍋島徳恭
テーブルクロスはくたびれていても、捨てないで!
長年使ってきたテーブルクロスがあります。色褪せ、ところどころに小さなシミもあります。ですが、その一枚には季節のごはんや家族の笑い声が染み込んでいて、なぜか、捨てられません。布って不思議ですよね。触った時の温もりが、食卓の記憶を抱きしめたまま、歳月を重ねているのですね。とはいえ、テーブルクロスとして使うには──。捨てるか? 引き出しにしまい込むか? 「いや、もう一度働いてもらおう」と、麻のリボンを、テレビを見ながらチクチク。紅色の刺繡糸で縫い付けるだけ。シミ隠しに2箇所タックを入れたのが、私なりのポイントです。布の古シミは暮らしの履歴。縫いながら思い出に浸るこの時間が好きです。長く使うということは節約? 我慢? でもなく「思い出に、出番をあげること」なーんて。センチメンタルになってもたまには良いかなと。そして、料理をする時にその古布が寄り添って、新しい時間と優しい気持ちをくれるような気がします。
おもてなしの時、秒で前掛けに!
お客様を招く時、その日の服装に合わせて、ちょっとお洒落に見える前掛けをします。でも、ちょうど良い前掛けが無い! 時には、テーブルクロスを三角に折って三角の頂点をちょっとずらして腰に巻きます。昔見た映画で、主人公がクロスをピンピンとして、半分に折って腰に巻いていたのを真似したくて! 端をそのままズボンのウエストに挟んでも良し。布が足りない時は、三角の片端にボタンを付けて、もう一方に輪ゴムを結びます。ボタンにゴムを引っ掛ければOK。ボタンを取れば、クロスとしてまた使うこともできます。
『クロワッサン』1162号より
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