「みんげい おくむら」主人・奥村 忍さんと行く、京都に息づく民藝を巡る旅【私の京都ベストルート】
撮影・中部里保、仲尾知泰(河井寛次郎記念館) 文・鈴木敦子
奥村 忍(おくむら・しのぶ)さん
「みんげい おくむら」主人。手仕事の生活道具を扱うWEBショップ「みんげい おくむら」を2010年にオープン。著書に『中国手仕事紀行』(青幻社)など。
京都に息づく民藝を巡る旅
手仕事の産地巡りをライフワークとする民藝ショップ店主、奥村忍さん。京都を訪れるのは年に1~2回。その際に毎回決まって足を運ぶ大切な場所がいくつもある。「民藝運動の中心人物だった河井寛次郎の記念館や大山崎山荘美術館は、何回訪ねても、何時間いてもまったく飽きない。きっと一生通い続けるでしょう」
そんな奥村さんが紹介するのは“民藝の本流”から外れる京都で、独自の民藝スピリッツに触れる旅だ。
長らく都だった京都はきらびやかな貴族文化の中心であり、庶民の暮らしの中に息づく民藝のイメージは薄い。しかし「現代的な民藝の組み合わせ方や粋な使い方に、京都らしい美意識を感じる」と奥村さん。代々民藝の器を使う飲食店で「経年により器が育っていく様」を楽しみ、民藝の意外な取り入れ方を提案する骨董店に刺激をもらう。
「京都は自分の原点に立ち返り、仕事を振り返るきっかけをくれる場所」。奥村さんがいつも感銘を受ける京都の街で、自分の感性に合う民藝と出合いたい。
1. 河井寛次郎記念館
河井が自ら設計した自宅兼工房を公開。暮らしぶりが伝わる空間は「民藝を体現する場。原点に立ち返らせてくれます」(奥村さん)。 京都市東山区五条坂鐘鋳町569 TEL:075-561-3585 (営)10時~17時 月曜休(祝日の場合は翌火曜休) 大人1,000円。
2. 丸太町十二段家
民藝の巨匠たちも通った“元祖お茶漬けの店”。「お茶漬け定食『すずしろ』(1,500円)のだし巻きはいつ食べてもホッとします」。 京都市中京区常真横町184-3 TEL:075-211-5884 (営)11時30分~13時30分LO、17時~18時30分LO 水曜休
3. YAMADA MPD ART CLUB(ヤマダ エムピーディー アート クラブ)
民藝運動家の濱田庄司や河井寛次郎の作品と実用的な骨董をフラットに並べる。「骨董初心者でも敷居が高すぎず、真っ当なものを扱っています」。 京都市中京区藤木町22 TEL:075-286-3985 (営)11時30分~18時 火・水曜休、ほか不定休
4. 蕎麦 ろうじな
旬味満載の酒肴で一献、締めに打ちたての十割蕎麦を。夜はコースも用意。「蕎麦屋らしい器使いに見惚れます」。もりそば1,100円。 京都市中京区丸屋町691 TEL:075-286-9242 (営)11時30分~14時LO、17時30分~19時30分LO 月曜休
5. はとや食堂
定食のおかずは各自が好きなものをショーケースから取る。2種類の酒粕を使う粕汁、身がほろほろの鯖煮など、懐かしいおふくろの味が早朝から食べられる。「京都の良心のような店」。 京都市左京区熊野神社前 TEL:非公開 (営)6時~18時 土曜休
6. アサヒグループ大山崎山荘美術館
民藝運動ゆかりの作品などを所蔵。3月20日より濱田庄司と河井寛次郎の展覧会を予定。「踊り場のステンドグラスが印象深い」。 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3 TEL:075-957-3123 (営)10時~17時 月曜休(祝日の場合は翌火曜休)、臨時休館あり
7. 李朝喫茶 李青(りせい)
店主が韓国や日本各地で見つけた品々が空間を彩る。「中庭や一輪挿しなど細部までこだわりを感じます」。韓国雑煮トック1,400円。 京都市上京区梶井町448-16 TEL:075-255-6652 (営)11時~16時(ランチLO14時30分) 日・月・火曜休
8. やまと民芸店
京都を代表する創業80年の民芸店。河井寛次郎の系譜に連なる現代の作り手、昔ながらの窯元など広く扱う。「老舗の風格を感じる“これぞ民藝”という品揃え」。 京都市中京区奈良屋町294 TEL:075-221-2641 (営)12時30分~18時30分 火曜休
9. 御所飴本舗
香料や保存料を使わない昔ながらの製法にこだわる老舗飴店。フルーツ味や抹茶味などフレーバーは約20種類。レトロなパッケージもかわいい。 京都市中京区中島町98 TEL:075-221-3072 (営)11時~20時(土・日・祝日~21時) 水曜休
『クロワッサン』1161号より
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