Snnのソデイカと塩レモンの魚醬バター/キャピタル東洋亭本店の百年洋食ハンバーグステーキ──京都の食を愛するエディター・長瀬 緑さん、「グランマ ママ ドーター」デザイナー・宇和川恵美子さんの、絶対食べたいこのひと皿
撮影・東谷幸一 構成&文・齋藤優子
エディター
関西の情報誌「SAVVY」などで20年以上経験を積んだ後、フリーに。雑誌、ウェブを中心に編集、執筆。
料理、お酒、接客、すべてにセンスが
大阪在住ながら、毎月のように京都に出向く。仕事で、京都に住む友人に誘われて、時には京都好きの大阪の友人と。『Snn(シン)』と『190(チェントノヴァンタ)』は、京都の友人と訪れた店だ。「ワインの品揃え、料理の見た目や味付け、接客。ワインバーひとつとっても、センスの良さを感じます。畏まらず、砕けすぎず、落ち着いて過ごせる店が多く、足を運びたくなります」。ファミレスがコンセプトの『cook knoll(クックノール)』も「料理も空間もずば抜けてセンスがいい」と薦める。いま、気になるのは、ナチュラルワインと料理が楽しめる店が増えている左京区エリア。「『ikat(イカット)』『tardes(タルジス)』など、素材へのこだわりが感じられるところが好きです」
ソデイカと塩レモン 魚醤バター | Snn(二条城前)
ほかにないイカの食感が衝撃的
調味料も食材使いも自由自在。独自の発想で生み出される皿が人気のイタリアン。ソデイカの薄切りが重なるパスタは「ほかにない食感と甘さが衝撃」。店主の吉田伸介さんは、和歌山・那智勝浦から届くソデイカを下処理して冷凍。そのままスライスしてのせ、パスタの余熱でレアに近い食感を実現する。麺に絡むのは、鮎の魚醤と塩レモンで風味をつけたバターソースだ。7mに及ぶ一枚板のカウンターを設えた内装も、センスが光る。
フォアグラとフランボワーズのマカロン | 190(鞍馬口)
ワクワクするような前菜が充実
料理からサービスまで、店主の櫻井やよいさんがひとりで営むワインバー。「フォアグラをサンドした甘じょっぱいマカロンなど、ワクワクするような前菜が揃っています」。濃厚なフォアグラに負けないよう、カカオを強めに利かせたマカロンは、時間をおき、しっとりまとまった頃合いで提供する。仕込みに工夫を凝らしているので、「一人なのに待たされる感じがまったくしない。人柄もあいまって、家に招かれたかのように寛げます」。
宇和川恵美子(うわがわ・えみこ)さん
「グランマ ママ ドーター」デザイナー
世代を超えて愛されるよう想いを込めたブランド「グランマ ママ ドーター」を手掛ける。
日常ご飯も会食も静かな北山界隈で
自身のブランドショップは、北山にある。「静かでゆっくりできる店が多いので、普段の食事も、家族や友人との会食もほぼこの界隈です」。
『キャピタル 東洋亭』や『徳造』は普段から通う店。気心の知れた知人を案内する時は、近くの和食がおいしい居酒屋へ。そして、北山からははずれるが、丸太町のうどん店『やっこ』も長く通う一軒。「細打ちの中華麺をうどんだしでいただくキーシマは一度食べるとやみつきに」
せいろ蕎麦 | 蕎麦と料理 徳造(北山)
味よし香りよしの蕎麦を鯖寿司と
店主の石橋裕之さんは、修業先の日本料理店で、締めに出す蕎麦に魅了され一念発起。関東の蕎麦店で、5年間蕎麦打ちを学んだ経歴を持つ。蕎麦粉9割で打つ麺は、「風味も香りも良くて、鰹だしをベースにすっきり仕上げたつゆも好み。とろりと濃厚な蕎麦湯で割ると最高です」。老舗料亭での経験も豊富ゆえ、夜は蓮根饅頭など一品料理が充実していて、欠かせないのが鯖寿司。「浅めに〆た鯖の身が分厚く、旨みが堪能できます」
百年洋食ハンバーグステーキ | キャピタル 東洋亭本店(北山)
立ち上る湯気と香りが食欲を刺激
京都で初めて洋食を出したことで知られる老舗は、「学生時代からの行きつけで、頼むのは決まってハンバーグ。ホイルを開けて広がる香りと湯気が食欲をそそります」。“おなじみの洋食を、手間を惜しまず、想像を超える味に”をモットーに、毎朝店内で肉を挽くところから始める。粗挽きした肉を牛7豚3の割合で混ぜたパテには、デミグラスソース、さらに和風ベースのだしで炊いた牛バラ肉がのる。丸ごとのベイクドポテトが付け合わせ。
買って帰りたい──北大路『パティスリー 菓欒(からん)』
“家族団欒に寄りそうお菓子を”と、1995年にオープン。程なく登場したのが、いまや京都土産の定番となったチーズケーキ〈西賀茂チーズ〉だ。「口溶けよく、ひと口サイズなのに、ちゃんとチーズの風味が味わえます」。1個150円。
『クロワッサン』1161号より
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